泉ウタマロ著「人生逆戻りツアー」は悩み多き人生を過ごしている方ほど、心動かされる本かもしれません。

私は普通のサラリーマンをしているので
週末がお休みです。

しかし今週は急な仕事が入ってしまい、
土日に出勤することになりました。

他に誰も引き受けてくれる人が居ないので
仕方ありません。

そして、
私に限らず、

日本中のサラリーマンが同じような
境遇にある筈です。

もちろん、
代休が出たり、
手当が出たりするわけですが、

それでも、
貴重な時間を損した感が募ります。

そんな私も、
若い頃は休日など関係なく、
今以上に働いていました。

その頃は、
仕事でも遊びでも、
”ぼーっと”時間を過ごしても、

時間が”もったいない”という感覚は
殆ど有りませんでした。

人生の残り時間が短くなって来たことが、
私に時間を意識させるのでしょうか?


さて本日は、泉ウタマロさん著の

「人生逆戻りツアー」

をご紹介します。

物語は、
64歳で亡くなった主人公が天国に行き、

本文中で天使と表現されている、
自分の守護神というか、守護霊とともに、
自らの人生を振り返るというものです。

本書はテレビで紹介され大反響を呼んだ。
と帯にも書かれていますし、
アマゾンの書評を読んでも絶賛されています。

どんな本かと思って購入して読み始めると、

本の冒頭に、
2005年に「魂の、もう半分の世界」という
タイトルで出版されたオリジナルを読んだ編集者が、
あまりにも面白いので再版したいと、
消息が消えた著者を苦労して捜し求め、
出版にたどり着いた。

・・といった説明があります。

それぐらい面白い本であることは
間違い無くて、
他の著作も読みたいと思うのですが、

アマゾンで見る限り、
泉ウタマロさんの本はこの本一冊でした。

謎多き方といった感じです。


物語は死語の世界で繰り広げられます。

人間が死ねば、死語の世界があって、
神様や天使が沢山済んでいる光景を
私たちは日本人は、
容易に想像することができます。

人は輪廻転生を繰り返し
そのたびに魂が成長するという
仏教的な考え方も土台となっています。

本書からは、
そうした純日本的な宗教観が感じられます。


本の最後に、
本文の大切な言葉が纏められています。

・人生に無駄なことはひとつもない
・人生最悪と思える日は、実は人生最良の日
・・・・

思わず、斎藤一人さんの言葉?
・・と感じたりもします。


本書の中で最も心を打たれた場面は、
主人公の愛する奥さんが、
離婚して家を出て行くところです。

主人公は若い頃、
一生の努力をするぐらい頑張って、
綺麗で大好きな女性をお嫁さんにもらいます。

奥さんを愛する気持ちは、
今も昔も、
そしてあの世に行ってからも変わりません。

切ないのは、
その奥さんが離婚を決意した。
奥さんの本当の気持ちを、
あの世で知ることになるところです。

(元)奥さんは、
自分が専業主婦で家にいたら、
主人公はイヤな仕事を続けて歳を取るに違いない。
彼を自由にさせたい。

そんな気持ちでした。

しかし主人公は、
出て行った奥さんの気持ちに気付かず、
奥さんが居なくなっても変わることがなく、
イヤなサラリーマン生活を続けます。

そして、
(元)奥さんを思い出しては、悲しみながら、
64歳という若さで、事故で亡くなってしまいます。


主人粉にとっての最悪な出来事は、
最愛の奥さんが家を出たことだったのですが、
その日を境に人生を変えることもできたのです。

物語の主人公は、
そうした最悪の出来事を、
人生最良の日とすることは出来ませんでした。

そういったハッピーエンドに終わらない感じが、
本書の魅力でもあり、
読者の心を動かすのだと思います。


本書を読んで感じるのは、

著者がもしも一般の方とすれば、
この発想力というか、
この内容を書く力は凄いと感じます。

分かり難いなぁ。面白くないなぁ。
といった箇所も正直あります。

エッセンスの大部分は、
成功本/自己啓発本にも書かれている
ような話といえばそれまでです。

しかし、
上手く説明できませんが、
何かを越えていることは間違い無く、
確実に読者の心を動かすところはあります。

秋の夜長、
悩み多き人生をお過ごしの方にお勧めの一冊です。


追伸)
改めてパラパラ読み直すと、
奥さんが出て行ったのは、

実は主人公が奥さんが好きではある物の、
その容姿だったり、好きすぎて奥さんを
束縛したり・・そういった本書に描かれない
話しがあったかもしれません。

この数ヶ月で、
私もすこし深みが増したのかな?

いずれにせよ、この本はイイです。 2013/3/11




★★★ ツィッターやってます! ★★★

   https://twitter.com/h6takahashi


今日のアクセス:101,177