冨山和彦著「挫折力ー一流になれる50の思考・行動術」を読むと、成功する男の生き方が見えるようです。

社会人になって最も挫折感を感じたのは、
初めての人事異動の後でした。

入社後数年が経ち、
仕事もある程度できるようになったころです。
業務内容の異なる別の部署に異動となりました。

新しい部署では、
入社以来覚えた仕事のやり方を
活用することが出来ませんでした。

結局仕事に失敗し、
大きな挫折感を味わいました。


しかし、
今にして思えば、この時の経験が
その後の私を支えています。

挫折を経験したことで、
仕事に対する考え方に幅(つまり多様性)が
できたのです。


・・という訳で、本日は冨山 和彦さん著の

「挫折力ー一流になれる50の思考・行動術」

をご紹介します。


著者の冨山和彦さんは、
一時ニュース等で有名と成った
産業再生機構(2004-2007)のCOOを務めた方で、
その後JAL再生タスクフォースサブリーダーへ就任しました。

メディアで良く拝見する顔でしたので、
当時、こんな凄い人がどこから出てきたのか不思議でした。

本書を読むと学生時代からのキャリアが記されており、
今頃になってようやく冨山和彦さんを理解した次第です。

その冨山和彦さんですが、
人生で最も挫折感を味わったのは、
司法試験を目指し猛勉強の末落ちた、
学生時代と言います。

ただ、凡人の私に言わせれば、
とはいっても東大生であり、
2回落ちたと云っても、
結局3回目には合格します。

この部分では、
東大に入るような優秀な人が、
「挫折」とか言ってもなぁ〜。
といった感想を持ちます。

さらに、その後のキャリアは、
庶民の思考から、遠く離れます。

本人が挫折と言うぐらい猛勉強の末手にした、
司法試験合格をあっさりと手放して、
当時は今ほど華やかな仕事ではない、
コンサルティング会社に入ります。

更にそのコンサルティング会社もすぐに辞めて、
今度は別のコンサルティング会社の起業に勤めます。

そのあと、留学してMBAを取得し、
さらに携帯会社(直接名前は出て来ませんが、
J-Phoneと思われます)の設立の仕事をします。

そして有名になった、
産業再生機構の設立に加わります。
当時年齢は42歳。
私とほぼ同年齢です。

しかし、私とは比べものにならない
キャリアと実績を築いています。


本書ではサブタイトルに、

「一流になれる50の思考・行動術」

とあります。

読み終えるまで、このようなサブタイトルが
付いていたことに気付きませんでした。
それぐらい、引き込まれる本ということですが。

一般の自己啓発本/成功本に比べると、
これさえを覚えればOK法則的な表現はなく、

冨山 和彦さんの思うことが、
みっちりと文章で記されている。
そんな感じの内容です。

ですから新書本と軽く考えてはダメで、
予想以上に読み応えのある本です。


本書にはもちろん、他のビジネス本に
書かれているような内容もありますが、
冨山 和彦さんの経験に即し、
自らの言葉で書かれているため、
パクリ感は感じられません。

また、50個に纏められている言葉も、
ユニーク性を感じます。

例えば、

 人間は、失敗からしか学べない生きもの。
 だから、優等生人生は、不機嫌な人生、
 役に立たないリーダへの道を約束している。

こんな感じです。

昨日大前研一さんの著書の紹介をしましたが、
こちらにも類似の内容が書かれていました。

 「捨てる」覚悟こそ、これからのリーダに必須なもの


近年のビジネス環境の変化の大きさに対し、
カネボウにしても、JALにしても”捨てる”ことが
出来なかったために、多くの負債を抱えることに
なったという訳です。


本書で用いる「挫折力」は、
成功にしがみつかず、自分に不向きと感じたら
どんどん新しいことにチャレンジする生き方です。

本書はおそらく20代〜30代の若手に向けて
書かれていると感じます。

20歳の若者が3年おきに仕事を変えると、
30歳では3つのキャリアを得ることになる。

このように転職を薦めつつも一方では、

有る年齢に達したら、次に転職ができるのは、
会社で成功し一定以上のポジションを得た後。

と常識的なことも言います。

破天荒のようで、極めて常識的で現実的。

企業の裏側の仕組みも見え隠れする、
まさにコンサルタントの書いた本。
といった感じがします。


本書で最も大切に感じたのは、
自分の中の多様性を育てることの重要性です。

一番良いのは、海外に出て日本を見つめ直すことです。
そして次は転職です。


失敗や挫折を恐れず、次にチャレンジしていけば、
いつかは道が開けると共に、
自分の中の多様性が身につきます。

若い時にしかチャレンジできないことも多く、
そういった意味で、
本書は若者に読んで頂きたい一冊と感じました。



 
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