マネー・ヘッタ・チャン著「マッチポンプ売りの少女 ~童話が教える本当に怖いお金のこと~」を読みました。

仕事でトラブルが噴出したり、
想定よりも作業量が大きかったりして、
スケジュールが大きく遅れることがあります。

特に大きなプロジェクトで上記のような問題が起こると、
後から沢山の人が動員されて対処することになります。

そのような状況のことを、

「火が出る」と表現し、

後から駆けつける人達のことを
「火消し」と表現したりします。


得てして「火消し」は、
急ごしらえで集められるので、
訳も分からずメンバーが動員される訳ですが、

「火消し」の隊長だけは、
社内でもエース級の人材が派遣されます。

そうでないと、
プロジェクトの燃えさかる炎を
消すことが出来ないのです。


ところで本当の火事の場合、
消火活動には消防車に内蔵された
ポンプを用いて放水を行います。

「ポンプ」は江戸時代には既にあったそうで、
当時の「火消し」も使っていたとのこと。

消防車は色々な種類があるのですが、
最も代表的な車が「ポンプ(車)」と呼ばれます。


・・という訳で、本日は、マネー・ヘッタ・チャンさん著

マッチポンプ売りの少女 ~童話が教える本当に怖いお金のこと~」

をご紹介します。


本書のタイトルにもなっている、
マッチポンプ」という言葉をご存じでしょうか?

私も会社に入って仕事をするようになってから知りました。

問題の火種を”マッチ”と呼び、
火消しのことを”ポンプ”と表現します。

つまり、本来火消しをしなければいけない人物が、
自ら問題に火を付け、油を注いでいる状態を指します。


Wikiで調べてみると(マッチポンプ参照)、
善的な自作自演の手法・行為を意味する和製英語で、
マッチは英語で、ポンプはオランダ語※なんだそうです。

※火消しのポンプは江戸時代から有ったということで、
 唯一開国したオランダから来たのでしょうか?
 (詳細不明です。)

この和製英語を最初に使ったのは、

1961(昭和36)年4月11日の衆議院本会議における
松井誠衆議院議員とのことで、

 「世に、いわゆるマッチ・ポンプ方式といわれるものがあります。
 右手のマッチで、公共料金を上げて、もって物価値上げに火をつけながら、
 左手のポンプでは、物価値上げを抑制するがごとき矛盾したゼスチュア
 を示すのをいうのでございましょう。」

・・と時の政府を追及したそうです。

この例によらず、
世の中は「マッチポンプ」で溢れています。

例えば、

ガンになったら大変ですよね。?
残った人が悲しみますし、お金もかかります。
・・と広告しながら、ガン保険を売る。

世界ではこんなに恵まれない子供がいます。
・・と広告しながら、募金を募る。
・・が、恵まれない子供に届く前にピンハネされる。


もっと分かりやすい例は、

今年の流行は黒です。とか白です。と言い、
あたかも未来を予想するような話をメディアにばらまき、
流行を作り出すファッション業界です。

(本書はこのような事が書かれています。)

このように「マッチポンプ」の多くは、
広告会社や大企業がマーケティングと称して
行う販促行為です。

最近の韓流ブームやK-POPブームも、
日本の広告代理店にお金をばらまいて
作ったという話も聞こえてきますが、

ファッション業界のように、
売り手も買い手もみんな知りつつ、
やっている分には構いませんが、

募金活動や、企業間での談合、懸賞など
一般に知られていないことが、
マッチポンプと知ると、正直ガッカリします。


本書を読んだ感想は、
週刊誌的なネタのオンパレードということで、
あえて本を買うかといわれると少し疑問です。

私も週刊誌ネタが好きな方なので、
殆どが知っている内容でしたが、

それでも本書は読んでいて面白く、

どんどん次の章が読みたくなる内容でした。
(若干後半はネタ切れ感がありダレてきますが。)


こういった本を悪く云う人も居ますが、
週刊誌やネット上でぶつ切りにされている
情報をひとつにまとめたという意味では、
アリではないかと私は思います。

ただ、繰り返しになりますが、
品の良い感じの内容ではありません。

もちろん著者や出版社のことではなく、
この日本の実態の品が悪いのです。

この国の良心もココまで低下したか。
そのように感じるのもまた事実でしょう。

そして本書は、
若者向けの内容です。

これからの日本を生きる若者には、
真贋を見抜くため、
コレの程度の内容は世の中いくらでもあると
心に留めつつ、
マッチポンプ」は程々にして、
良識のある社会を作ってもらいたいと感じます。


ところで、
私が本書を購入したのは、
ホリエモン推薦だったからですが、

購入してみると、

ホリエモン推薦」

と印刷されて居るではありませんか。

即ち本書の企画時点で「ホリエモン推薦」
だったわけで、
これぞまさに「マッチポンプ」と感じました。!

一杯食わされた。
という感じですが、

しかし、ファッションの例でも書きましたが、
ワザとバレバレで行っているので良いと思います。

悪い冗談は、冗談とわかるように言わないと、
冗談にならないのと同じで、

マッチポンプ」も分かるようにしないと、
益々日本が品の無い社会になっていくと
感じた今日の一冊です。



 
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