石田淳著「行動科学を使ってできる人が育つ!教える技術」は、部下育成に悩む上司にとっては必読の一冊です。

本日は、石田淳さん著

ー行動科学を使ってできる人が育つ!ー
「教える技術」

をご紹介します。

著者の石田淳さんは、
行動分析学」を元にアメリカで確立された
「行動科学マネジメント」という手法を、
日本流にアレンジして広めています。

行動分析学」とは文字通り、
人や動物の動作を分析する学問であり、
行動の原理や法則を研究するものです。


その石田淳さんは日々の講演や企業研修等で、

 部下が育たない。
 思うように仕事をしてくれない。

・・・といった部下の育成に関する
悩みを数多く耳にします。

 何度言ってもやってくれない。
 徹夜をしてでも出来るまでやる。

よく聞く言葉ですが、
石田淳さんに言わせれば、
典型的なダメ上司の言葉です。

しかし、
その言葉を聞くたびに、
「行動科学」に基づいた、
「教え方」を上司に教える事の
重要性を感じます。

行動分析学」は、
実験によって導かれた法則による
学問です。

再現性があるのです。

これは即ち、
多くの現場で、
行動分析学」に基づく「教え方」は
使えるのです。


本書では、
部下に教えるときのポイントを様々紹介しています。

例えば「ほめる」ことの効果は、
本書に限らず様々なビジネス本にも書かれています。

なかには、ほめても効果が無い。
とするビジネス本もありますが、
本書によれば、子供も大人も、ほめることで
成長するとあります。

行動科学では人間の行動を次のように
3ステップで考えます。

 �先行条件 → �行動 → �結果

例えば仕事は、

 � 上司が仕事や目標数値を指示します。
 � 部下が実施します。
 � 期待した成果が出る or 成果が出ない。

の繰り返しと成ります。

多くの上司は�の仕事の指示を出した後は、
頑張れとか、気合いだ。とかしか云いません。

しかし、�でご馳走や給料UPを上司がすれば、
部下は�を頑張るようになります。

つまり、ご馳走や給料UPに相当する、
上司がほめる。ことが大切です。


部下が仕事が出来ないのは、
ほめることが足りないだけではありません。

一番問題なのは、部下が仕事のやり方を
キチンと理解していないからです。

現在の多くの上司は”仕事は見栄覚えろ”
と云わんばかりに、厳しく鍛えられました。

このように、ろくに教えられた経験が無い上司は、
自分の部下にも、同じ事を繰り返すわけです。

本当は一つの仕事や動作を、
ココまでか。という位細かく分解し、
部下に指示すればどんな人でも、
自然と仕事を覚えます。

例えば、
部下がお客様に会いに行くときは、

 身だしなみを整えたか?
 名刺は持ったか、
 挨拶の準備はできているか、
 商談内容を押さえたか、、
 ・・・etc.

細かなチェックリスト(タスクリスト)を
作って具体的に指示します。

私も会社の若者とお客様に同行するときは、
名刺を持ったか?などと聴くわけですが、

このように、
全ての行動をブレイクダウンして指示すれば、
誰でも出来るようになると云います。


加えてもうひとつ大切と感じたことは、

部下の仕事が出来ないときは、
誰でもできる簡単なことから、
成功体験を積んでいくという話です。

失敗して自信を失えば、
簡単な事も出来なくなってしまうのが人情です。


本書の記述は、極めて簡単・明確に書かれていますが、
これも「行動分析学」をもとに考えられているのだと
感じます。

かなり売れている本では無いかと感じます。

私が買ったのは昨年の秋頃と思いますが、
本書は2011年6月に発行され、私の購入したのは、
19刷となっています。

カバーやデザインも綺麗で、
内容も簡単ですが、思うところも多々あります。

文字数が少なめですので、
本の虫のような方には合わないかも知れませんが、

部下の指導に悩む方には、最初の一冊として
かなり参考になるのでは無いかと感じました。



 
★★★ ツィッターやってます! ★★★

 https://twitter.com/h6takahashi



今日のアクセス:129,426