鳥原隆志著「たった5秒思考を変えるだけで、仕事の9割はうまくいく」を読みました。

本日は、鳥原隆志さん著

「たった5秒思考を変えるだけで、仕事の9割はうまくいく」

をご紹介します。

以前に、鳥原隆志さんの著作である
「究極の判断力を身につけるインバスケット思考」
をご紹介したことがありますが、

http://d.hatena.ne.jp/h6takahashi/20120529/1338289498


鳥原隆志さんは「インバスケット」という、

ある一定時間に、
多種多様に発生する業務やトラブルを処理するという、

1950年代にアメリカ空軍で開発された、
レーニングの国内第一人者です。

そんな凄い方なので、
良いお歳と思って本書を読んでいたところ、

私もようやく40代になりまして、
・・という一文があり、

えっ・・と思いつつ、
今頃アマゾンの著者紹介をみてみたら、
私よりお若くて、ちょうど40歳になった位でした。
(恐れ入りました。)

歳の話はさておき、
本書は、昨年の8月に初版が出て、
私が購入したのが11月に出た第8版ということで、
けっこう売れている本と思います。

読んだ印象は、
先に紹介した著書よりも
さらに簡単にしているように感じました。

軽快な語り口と、
事例の最後につく「・・どうしてこうなるの?」
が面白くて、

入社2〜3年目の、
ちょっとドジな若者に読ませたい内容です。


本書では、大道芸の皿回しの、”お皿”を仕事に例え、

”お皿”(つまり仕事)を落とさないためには・・・
沢山の”お皿”(つまり仕事)を回すには・・・

といった表現を用いて仕事のコツを解説しています。

これが、タイトルにもある「5秒思考を変える」です。


私も「5秒」に釣られて本書を買ってしまったのですが、
つまり、手を動かす前にちょっと考えよう。
という事なのです。

本書によれば、会社に入り仕事を覚えるにつれ
考える人と考えない人が二極化していくそうです。

確かに全員が考えていたら、
単純な仕事の生産性が落ちますし、

そもそも、仕事を覚えると云うことは、
考えなくても考えなくても自動的に仕事が
できるように成るのと同義です。

企業研修の講師をするときに、
企業から著者に寄せられる期待は、

考える社員を養成して欲しい

・・ということで、
おそらく、このような本を出すに至った
きっかけではないかと思います。


本書の最後に

「ブロック肉」ではなく「薄切り肉」を売れ。

とあります。

もともと大手流通業で店舗指導などをしていた
著者ならではの表現なのですが、

同じ肉でも、ブロックとして固まりで売る場合と、
薄くスライスした場合では、販売単価が違うそうで、

一手間かける(少し考える、工夫する)ことにより、
同じ物を高く売る。ということを示しています。

私もサービス業をしておりますので、
この一手間かけることで単価を上げる。
という発想は心に残りました。


本書では考える(コツ)と云うことに対して、
次の15項目でまとめています。

1. 優先順位をつける力
  →何事にも締め切りを作って限られた時間で行う。

2. 問題発見力
  →表面的な問題、どうでも良い問題に囚われていないか?

3, 思いやりの力
  →あくまで、相手の気持や心証を考えて行動する。

4. 自己分析力
  →何故叱られたか、何故失敗したか、・・何故を考える。

5. 確認する力
  →きっと大丈夫。プロにはそれは無い。

6. 創造力
  →本当にその方法が一番良いのか考える。

7. 洞察力
  →次にどうなるか考える。予測する。

8. 当事者意識を持つ力
  →自分に相手が何を求めているかを考える。

9. 対策立案力
  →困ったときに他に打つべき手は無いかを考える。

10.組織活用力
  →困ったときに誰に聞くべきかを考える。

11,段取り計画力
  →たとえ自分は止まっても仕事は動くようにする。

12.課題形成力
  →きっと・・。を許さず、本当の問題は何か考える。

13.問題設定力
  →具体的なゴール、ちょっと背伸びしたゴールを考える。

14.リセット力
  →制約や前例を忘れ、いったんゼロベースで物事を考える。

15.逆算力
  →締め切りから物事を考える。


本書の最初に書かれるのは、
仕事とは、ただ頑張るだけではなく、
大切な仕事を選んでしなさい。

といった事が

仕事には「許される失敗」と「許されない失敗」がある。

というように表現されます。

また仕事は一発で終わらせ、

「仕事のリボ払い」をするな。

ということも書かれております。

この二つはとても印象的なのですが、

つまり真面目な人ほど、全てを完璧にこなそうとして頑張り、
しかし、時間の割りには大した成果もでず、

上司的からは、なにやってるんだ。
と叱られ、

「・・どうしてこうなるの?」

・・という本書の結びになってしまうケースが多いと思います。


このような習性は、仕事の経験を積み、
歳を取ったからと行って改善されるわけではなく、

先にも書いたとおり、考えなくなる傾向が強いと思います。
ですから、若いときに正しい方向に習慣付けていかないと、
歳を取ってからだと直しにくいと感じます。

ですから、
20代の若いサラリーマンの方に読んで欲しい
今日の一冊と思いました。


年季の入ったサラリーマンにとっては、
あたりまえの話ばかりなのですが、

そのあたりまえがどうなのか?
冷静に考えてみたいと思いました。



 
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