山田浩典著「世界一わかりやすい潜在意識の授業」は名前どおりの、理解しやすい良本でした。

夢や目標を紙に書いたり、
欲しい車や家の写真を毎日眺めると、

いつか夢が叶う

そうです。

・・といった話しが、
多くの成功本には書かれています。


少し親切な本では、

「潜在意識」

なるものが目標を達成しようとする。
などの解説が加えられます。

この「潜在意識」を有名にしたのは、
ジョセフ・マーフィー博士です。

彼の成功の秘訣は(Wikiより引用)

 1.建設的に考えること
 2.楽しい想像をする習慣
 3.(自信をもって)祈ること
 4.行動すること
(『マーフィー博士 最後のことば』)

とのことですが、

こうして並べてみると、

世の中の成功本が、
全てこの4つに要約されているのでは?
という感じもします。


「潜在意識」は自らの内面だけでなく、
属する集団や時には遠く離れた人と、
心が通じたりすることがあるそうです。

確かに緊張感は伝染するとか云いますし、
へんな空気感を共有するのは日常茶飯事です。

とくに言葉や身振りで表さなくても、
どうやら生き物どうし※、
気持は伝わるようなのです。

※鳥が集団で飛ぶ際にぶつからないとか、
 遠く離れた雄雌が出会うとか・・
 彼らは会話もせず、携帯電話も無いわけで・・


という訳で、本日は山田浩典さん著

「世界一わかりやすい潜在意識の授業」

をご紹介します。

「潜在意識」という言葉は、
良く耳にする言葉ですが、
学ぶ機会は多くありません。

私がある勉強会で習ってきたところ
によると、

人間の意識には、
自分で意識できる「顕在意識」と
意識できない「潜在意識」があり、

顕在意識が2割で、潜在意識が8割を
占めるそうです。

分かっちゃ居るけど止められない。
などはその典型的な事例で、

先日の私のように、
意識では程々にしたほうが良いと思いつつも、
ついついお酒を飲んだりします。(汗)

習慣などと、いったりもしますが、
ココでも「潜在意識」が作用しているのです。


本書では「顕在意識」の割合は5%程度と
書かれていますが、
いずれにせよ、
少ない割合であることに変わり有りません。


この「潜在意識」ですが、
心理学では意識出来ない領域。

つまり、無意識の一部と定義され、
医学的には自律神経と定義されるようです。

自律神経と云われると、
勝手に心臓が動いたり、
食べ物を消化したりすることを
想像しがちですが、

繰り返し練習することにより、
スポーツや楽器の演奏が上達したりすることも、
自律神経がある動作を覚えた事によるものです。

つまり、自律神経は、
ある動作を繰り返すことにより
学習することもできます。


本書では、
「潜在意識」がどのように機能しているのか
学ぶために筋肉応答法とよばれる
簡単な実験を紹介しています。

例えば、
被験者の右手を水平に伸ばし、
腕を下げないように指示します。

そして、
左手に天然塩とタバコの2種類
を乗せたときの右手の反応の違いを
観察するというものです。

私的には、ある種の暗示というか
催眠術のようなものに思えるのですが、

興味深いのは、
目に見えない”気持ち”に
「潜在意識」が反応してしまうことです。

もちろん被験者の「顕在意識」では
気持ちは認識していません。

つまり、
口に出さなくても嫌いな感情は
相手に伝わると云うことなのです。
ちょっと怖いです。


著者の山田浩典さんは、
もともと京セラで営業活動を行っていました。
その時に、セラミック包丁(白い包丁です。)
を開発する際に、当時の稲森社長より、

「君はセラミックで包丁ができると思っているのか?」

という質問をされたそうなのです。
しばらく黙っていると、

「包丁が出来た場面を思い描け、
 繰り返し、繰り返し、強く思え!」

と叱られました。
ここで稲森社長が指導していることは、
「願いは叶う」や「思考は現実化する」
などの成功哲学そのものです。

結局セラミックで包丁が完成し、
そこから、著者は「思いの力」の効果を知り、

京セラ稲森和夫経営12箇条にもある、
「潜在意識に透徹するほどの強く持続した願望をもつこと」
のすばらしさを再認識したそうです。

本書を読んで意外だったのは、
潜在意識の本を読んで、
稲森流経営を学んだことです。
(稲森和夫さん恐るべしです。)

本書を読んでも、
「潜在意識」は、心理学なのか、医学なのか、
哲学なのか、・・分からない部分が多々あります。

そういった意味では、
著者も一部間違った内容※などありまして、

※ある集団で同じ行動が閾値を超えると群れ全体に
 広がるという、「百匹目の猿現象」が紹介されて
 いますが、こちらの話しは創作ということ
 になっています。
 →詳細は「百匹目の猿現象」で検索ください。

冒頭で、
私は学者ではないと前置きしつつも、
本書の内容は若干ごちゃ混ぜ感はあります。

しかし、
本書の多くのページを占める実験では、
小学生ぐらいの子供と先生のイラストが描かれ、

「世界一わかりやすい潜在意識の授業」

に間違い無い、
とても分かり易い良い内容と思います。

こういった本を読んで常々感じるのは、
国語・算数・理科・社会だけでなく、

このような心理学系の授業や、
MBA的な内容も義務教育のカリキュラムに
入れたら良いのでは無いかということです。

この手の不思議系の学問は、
単純な記憶系の学習に比べ、
答えが無かったり、
仕組みを理解しにくいので、
先生も教えにくいのでしょうが・・、

子供的には興味津々ですし、
しかも社会に出たときに、
九九や漢字とと同じ位、
仕事の役に立つのです。

私の場合今頃勉強しているわけで・・・


このような事を感じながら本書を
読みました。

潜在意識の簡単な教科書としては、
良書だと感じた今日の一冊です。



★★★ ツィッターやってます! ★★★
   https://twitter.com/h6takahashi


今日のアクセス:148,137