日垣 隆 (著), 岡本 吏郎 (著) 「世界一利益に直結する「ウラ」経営学」には経営の実学が詰まっています。

ネットやメルマガで
本の紹介を専門にしている媒体があります。

私も似たような傾向にありますが、
そうした媒体は一定の数をこなすため、
手当たり次第に紹介文を書いているような
印象も感じます。

このためか、
専門媒体だから、本を沢山読んでいる人だから、
・・という読み手の期待に反して、
面白い本の打率は高くはありません。

そういった状況に不満を持ち、
読んだ感想をなるべく正直にブログを
書いているのですが、

しかし、
ネットでは悪い話しを書きにくいという、
マナーというか特性があり、

そこが難しいところで、
他の媒体の文章が甘くなって理由だと思います。

ネットで悪い事が書けないのは、
きっと、
他人の見えない目や、炎上を怖れるからですが、
日本村的な思考の影響でもあります。


こんな事を書いて気付いたのは、

本には批判する力がある。

ということです。
これは本の持つ素晴らしい機能だと思います。


ちなみに本日紹介する本は、
あるメルマガで紹介されたように記憶しています。

本の紹介メルマガではなくて、
たまたま読んだら面白かった。

という流れだったのですが、
このような流れで紹介される本は、
(書き手を選べば)
期待が持てるケースが多いです。


・・という訳で本日は、日垣 隆 (著), 岡本 吏郎 (著)

「世界一利益に直結する「ウラ」経営学

をご紹介します。

既に廃盤になっており、
アマゾンで中古本が数円から購入できます。

いつものようにリンクは張りますが、
儲けようという気持は更々ありません。
(実際売れませんし・・。汗)

本書はちょっと古く
2008年に発行されました。

税理士でベストセラーも書き、
カリスマ経営コンサルタントである
岡本吏郎さんと、

作家である日垣 隆さんの
対談を本にまとめた物です。

 世界一利益に直結する
 「ウラ」経営学

というなにやら怪しいタイトルが
付いていますが、
岡本吏郎さんのベストセラーである、
「図解 裏帳簿のススメ」の裏からとって
きたのだと思います。

↑アマゾンにリンクします。

とっておきの「ウラ」情報か、
インチキ臭い雑談本か、

読む前には様々な想像が働くのですが、
読み終えてみると、
まっとうな本でして、

副業や独立を目指すサラリーマンや
中小企業の経営者向けの情報本といった印象です。

対談形式ですので、
雰囲気は経済誌のインタビューとか
対談記事のようです。


以下に幾つか印象深かった話しを紹介します。

・飲食店は3年と1日目から、
 決まったように売り上げが落ちていく。

物事は時間(期間)を決めてやりなさい
という話しの中で出てきたのですが、

この法則を知っていたある経営者は、
3年でお店を手放したそうです。
その際に、お店あげようか。
といわれたとか・・。

税理士やコンサルタントとして、
数々のクライアントを抱えているから
分かる情報なのだと思いますが、
 
このような知識を得るのは、
読書の一つの効果と思いますし、

これから飲食店を目指す方は、
是非とも知っておきたい情報だと
思うのですが、

先日読んだ、飲食店経営の本には
書かれていませんでした。

飲食店を開きたい人は、
レシピや仕入れ店のインテリアなどは考えても、

3年過ぎると売り上げが落ちる。
といった所まで頭が回らないのでは
ないかと思います。

このような経営的な視点も、
料理のレシピと同じ位大切な情報
と思うのですが、

どうしたら本当に必要な人の元に
この大切な情報が届くのか?

そんな事を感じました。


・クレーマーは切ってしまう。

経営課題の一つに、
一定以上の割合で問題顧客、
いわゆるクレーマーが現れ、

そのクレーマーを上手く切っていくことが大切。
という話しがありました。

クレーマー処理もスキルの一つ。
ということで、ビジネス本や研修など
さまざまな学習の機会があるのですが、

クレーマーは上手く切りましょう。
というあたりが「ウラ」経営学です。

確かに、声高々には本やネットに書けません。

ここでも飲食店の話しがあり、
最初にリピーターに成ってくれる人の多くは、
他店で問題を起こした人。
という話しが興味深いです。

特にお店を開いて最初に来てくれるお客さん
を切るというのは、そうとうに厳しいことです。

どんなに料理の腕が立っても、
ココを乗り越えないと立派な経営者には
成れないわけですね。


・「イヤ」と言うときに理由は言わない。

普段の生活にしても、クレーマー対応にしても、
物事を断る場面が幾つかあります。

得てして理由を説明しようとするわけですが、
大概ハマってしまいます。

特に企業との交渉になると、
相手は数々の想定問答を作り、
場数を踏みトレーニングされています。

イヤなとき、ダメなとき、・・理由を言わない。
というのは一つあるな。と感じました。


・「変われる人」は今すぐ変わりたい。

この話しが一番響いたのですが、

企業研修やセミナーなどで、

2割の社員が8割の利益を持ってくるという
パレートの法則や、
良い社員2割、普通の社員6割、ダメ社員2割
といった釣り鐘型の正規分布の説明をすると、

良い経営者もダメ社員も一様に、
「うんうん」と頷くそうです。

確かに私も同じように頷く訳ですが、
ここで良い経営者、良い社員を見分ける方法は、

今すぐ変えよう。

という気持があるかどうか。
なのだそうです。

つまり、大概の人は今の状態を
あと少しだけ継続して、
それから考える。
そんな姿勢ということです。

実に耳が痛い話しです。

このような感じの内容で、
「ウラ」というよりもより現場に近い、
実学が学べる内容でした。

残念ながら今の私は沢山の雑学を覚えた。
といった感じに近いですが、

最後に紹介した、
「今すぐ変える」を忘れないようにしたい。

そんなふうに感じた今日の一冊でした。



★★★ ツィッターやってます! ★★★
   https://twitter.com/h6takahashi


今日のアクセス:153,952