中島孝志著「35歳からの仕事の教科書」を読みました。35歳を過ぎたら意識して仕事を変えていきましょう。

昨日は、
自らスキルを最大限に活用し、

次々と発生する幾多のトラブルに立ち向かい、
己の仕事を愚直に遂行する男の映画を
ご紹介しました。

小説を題材にした娯楽映画ですので、
架空のストーリーと、
沢山の演出が重なっているわけですが、

それでも心に響くのは、

プライベートでは様々な個別事情を抱えた
主人公(たち)が、

一丸となって困難な職務を
全うしようとする姿です。

彼らはキャリアでもない普通の公務員で、
(恐らく)お金持ちではありません。

しかし、
サラリーマンとして、かくありたい。
と思う姿ではあります。


・・とそんな事を思いつつ、
本日は中島孝志さん著

「35歳からの仕事の教科書」

をご紹介します。

最近中島孝志さんの本を読み、
気になる著書を数冊ピックアップして
読んでみることにしました。

(という訳で、しばし中島さん本が続くかも
しれませんがご容赦ください。)

先日もご紹介しましたが、
著者の中島孝志さんは、
もともとは本の編集者で、
ベストセラーを担当しつつも、
ご自身でも何冊も本を出されてます。

年間1,000冊もの本を読み、
一冊にかける時間は1時間程度と短く、

しかし、ポイントを確認しながら
3回繰り返し読むという独特な方法です。

実際にこの方法を試してみてわかったのですが、
確かに厚い分量がある本など、
数日かけて読み終えると、
すでに最初に何が書かれていたのか覚えていません。

結局今日もブログを書きながら、
最初から30分ほどかけて、前ページをめくって
内容を思い出したような次第でした。

中島孝志さんが薦める本の読み方は、
本を読むと云うよりも、
つまり昔受験勉強などで行った、
参考書の読み方のようなものです。

本に示される重要事項を覚え、
活用するという観点では優れていると思いました。


本題からそれてしまいました。(汗)

本書は、35歳からの・・というタイトル通り、
30代後半から40代前半向けの仕事のやりかたを
示した内容です。

もともとは、大手銀行向けに数回に分けて開催した、
研修(セミナー)の内容をベースにしているそうです。

ですから、内容はかなり多岐に及び、
網羅性も高いような印象です。

内容はビジネス本を多く読まれている人であれば、
さほど目新しい物はありません。

また、内容も比較的あっさりしていて、深さや個性の
ような物はありません。
#あくまで毎日ビジネス本のヘビー読者の方が読めば。
#・・という意味です。

大企業向けの内容ですから、
より一般化し、個性が薄くなってしまったのかも
しれません。

とはいっても中島孝志さんの本ですから、
あの人は、こういった。あの映画はこうだった。
成功した経営者は・・・・といった。

といった興味を引く話題が幾つかあり、
私個人的に一番参考になる点です。

たとえば、
本中で紹介される映画「ワーキング・ガール」は、
早速アマゾンで購入してしまいました。


35歳(30代中盤)という年齢は、
ある程度の規模の企業や役所に勤めていれば、
自然とプレーヤーから管理職的な方向に
仕事が変わっていくところです。

なかには、プレーヤーとして専門職の道を究める
という方もいると思いますが、その場合でも
多くの職場で自分よりも若い人や部下が増えてきます。

ですので、多くのページが、
リーダとは、上司とは、部下を指導するとは・・・
に裂かれているように感じます。


本書で印象深かった点をいくつかご紹介します。

・成功した経営者の多くは、教え好きである。
 →人を教えるのは時間がかかるし、
  自分でやったほうが早いし、
  待つのはしんどい。
  しかし、そこを乗り越えなければ、組織や
  企業の成長つまり生産性の向上が出来ない訳です。

・わたし(中島孝志さん)が尊敬する人は、
 「自分で自分を励まし続けることができる人」
 →ツキだけで上手くやる人は、確かにいるが、
  長続きしない。
  逆境でも今がチャンスと、
  自分で自分に火を付けることができるのか。
  そこが大切。

  「35歳からは(仕事の)失敗に失敗しないようにしよう」
  とありますが、この意味は深いと思います。

・飛車角を殺すな、歩を成金にしてつかえ。
 →リーダとして部下の使い方の極意だと思います。
  短いですが、本当に良い言葉だと思います。

吉田茂(元首相)は、好物は何かと聞かれ、
 人を喰って生きる。と答えた。
 →もちろん、素晴らしい人材と交流する、人脈を持つ。
  ということです。

  私も週末に勉強会などに参加していますが、
  勉強が中心で人脈の事は考慮が不足していたように
  感じました。
  本書の中で、個人的に一番不足している部分でした。


いずれにせよ、
こういった事は、意識して変えて行かないと
なかなか難しいと思いました。


さて、
先ほどネットのニュースで
「イヤな上司」という記事を読みました。

少し前はパワハラ系の上司が「イヤな上司」だった
のですが、最近は、優柔不断であいまいなな上司が
「イヤな上司」としてランキングされるそうです。

私の職場でも、
昔は大きな声が響きまくっていましたが、
最近は大声を出す人に代わり、
優しい部課長さんが増えてきたように感じます。

ビジネスの現場ですので、
社員に気を遣っていると言うわけではなく、
もっとドライに昔と違ってパワハラ系上司では、
人は動かないと云うことが端的に人事に結びついて
いる訳です。

上司になって思うのは、
上司の人は偉そうに見えても、
自信が無かったり、不安で心許なかったりしている
ということです。

ですから、優柔不断であいまいなな上司が
「イヤな上司」といわれると、
自分の事か?・・とおもったりします。

そして、

「人の上に立つ者は部下から敬われているようで、
 たえず落ち度を探されており、
 怖れられているようで、侮られていて、
 親しまれているようで、疎んじられて、
 好かれているようで憎まれているものだ。
 
 したがって、部下を扱うには禄(給料)で
 縛り付けては成らず、
 機嫌を取ってはならず、
 遠ざけてはならず、
 恐れさせてはならず、
 油断させてはならないものよ。

 つまるところ、
 部下を率いる要点は部下に惚れられることだ。

 これを別の言葉では信服というが、
 上に立つ者は信服されなくてはならない。」

 ー徳川家康が、幼い2代目の徳川秀忠にむけてー 

本書では、リーダが部下を率いるのは今も昔も難しい。
という事例として、徳川家康の言葉を紹介しています。
 
実は昨日も部下と今後の仕事について面談をしていたの
ですが、本書で読んだこの徳川家康の言葉を思い出さずに
はいられませんでした。

結局の所、
ある年代を過ぎたら、
仕事のスキルだけでなく、
人間力も磨いて行かないといけない。

そんなことを感じた今日の一冊でした。



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