大坪勇二著「カスを掴まない技術」を読み、失敗から学び、嗅覚を利かせることの大切さを感じました。

仕事をしていても、
仕事をしていなくても、
生きていると、
どうしようもない人達に遭遇します。

街を歩けば変な勧誘に声をかけられ、
会社居ても、どこから調べたのか、
様々な営業の電話が掛かってきます。

趣味や勉強会の集まりに出掛ければ、
怪しい人が寄ってきます。

私もココに書くのが恥ずかしいですが、
若い頃、変な営業に引っかかった事が
何度かありまして、

失ったお金は勉強代と割り切るしか
無いのですが、

その時失ったお金は、いまだに、
もったいないお化け」として
悔しい記憶に蘇ります。(涙)


・・という訳で本日は、大坪勇二さん著

「カスを掴まない技術」

をご紹介します。

それでも私は生産系の仕事なので、
社内の同僚や、出入りの業者さんなど、
固定メンバーで仕事をすることが多く、
新しい人と出逢う機会は少ないわけです。

しかし、営業マンとして最前線に出れば、
様々な人達とビジネスを繰り広げなくては
なりません。

そこでは必ずしも相手が良い人とは限らず、
手強い相手に遭遇し、トラブルに発展する
ことも多々あります。

タイトルにある「カス」とは、
仕事でトラブルを引き起こすような
手強い相手(主にお客さん)を指しています。


本書では、営業の達人である著者の経験に加え、
著者が発行するメルマガ読者の体験談を加え、
「カス」に掴まれた事例を紹介しています。

ポイントは、
社会人になりたての頃に会う「カス」と、
一定の経験を経て会う「カス」では、
内容(レベル)が違ってくると言うことです。

さらに筆者位まで人間のレベルが上がれば、
「カス」に会うことは殆ど無くなるのだそうです。

若い頃の苦労が瞬時に「カス」を見抜き、
自分の人脈ネットワークから排除する
のだと思います。

飲食店や洋服屋さんなどでも、
「変な人が居そうな店には行くな」
という人がいるのですが、
同じ話ではないかと思いました。


ここでいくつか内容を紹介してみます。

★社会人に成り立ての頃、
 語学の学習セットを購入してしまった。

 私は今でも買おうかと思うことがありますが、(汗)
 若い頃は特に目的もなく、
 語学や資格などの教材に手を出すことがあります。

 自分の意思が無く、自信も無いので、
 周りの頑張っている人のマネをしてしまうのです。

 しかし語学や資格の学習セットを購入しては
 みるものの、意思や目的が無いので続きません。
 若い頃にありがちな現象で、自分が「カス」なのです。


★仕事が出来るようになった頃、
 カスなお客様を掴んでしまう。

 俺は客だ。といわんばかりの態度のお客さん。
 約束を簡単にすっぽかすお客さん。
 新しいお客さんを紹介してやるから。
 などと何かと鼻にかけるお客さん。
 月末・期末にワザとアクセスしてくるお客さん。
 上客を狙いすぎてダメなお客さんと気づかなかった。
 ・・・

 ある程度仕事ができるようになると、
 お客さんの中に一定の割合で「カス」が出現します。

 本書によれば、
 「カス」を避けて通ることは不可能で、
 この時期に沢山の失敗の経験を積むことが、
 後に嗅覚が聴くビジネスマンへの道なのだそうです。


★役職者となったり独立した頃、
 信用していた人物に裏切られる。

 仕事のステージが上がると、
 また別の種類の「カス」が現れます。

 たとえば、共同ビジネスや謎の投資の誘い、
 自分の仕事が出来ることに対する嫉妬、
 著名人・実力者・お金持ちと思っていた人が
 実は自転車操業中だったなど。
 
 また社内の失敗の責任を一人で負わされたり
 するのも、一定の地位になってからです。
 (若者は決して責任は取らされません。)


★その他、確信犯
 あえて書きませんが、
 様々な詐欺(まがい)の人達が確実に
 世の中に存在します。

 善良な多くの人達は、本物の詐欺には
 勝つことが出来ないそうです。
 なぜなら相手はプロだからです。

 どうやって身を守るのか。
 自分で失敗の体験は出来ませんので、
 本書などを読み、少しでも嗅覚を研ぎ澄ませる
 しかありません。

・・
 
著者の大坪勇二さんは、
大学卒業後、新日本製鐵経理マンを経て、
ソニー生命に転職、月給1,655円から、
様々な努力を経て最高月収1,850万を
記録し、月収1万倍を達成した男として
有名な方です。

私も他の著書を読んだことがあり、
月収の増加に関しては別の本に詳しく
書かれているのですが、
ひと言で言うと、行動を増やすことでした。

本書にも少しだけ書かれており、
営業マンで週に15回お客さんとアポを入れて
上手く行かなかった人を見たことが無い。

とあるのですが、
スキルより行動を重視します。

そして、
月に15回も誰かと会えば、
ある一定の確率でババを引くことを
想像するのは容易です。


本書に書かれる「カス」即ち、ダメ人間との
トラブルの様子は、
詐欺などを描く小説やドラマの内容に
比べれば、淡々とした印象がありますので、
読み物としてはややインパクトが弱いですが、

しかし営業の最前線では、
日々このような話題が繰り返されているのです。
ある意味、恐ろしいです。

著者の大坪勇二さんが、
どれだけの数の、ババ(「カス」)を引いたのか、
営業というのは大変な仕事だと思いました。


しかし、
このように大変な営業職ですから
立派な学歴をもった人は少なく、

また、訳有りで一発当てることを目指し、
転職する人が多いのだそうです。

ですから実力の在る人が、
一定の法則(セオリー)にのって営業を行えば、
成功する確率が高いのではないか。
ということも書かれています。

この部分には、営業の達人の、
営業職への愛情のようなものを感じます。
ですから本書は、
真剣に営業を目指す方・若者に読んで
頂きたい一冊と思いました。



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