中谷彰宏著「怒らない人は、うまくいく。: 品格を高める61の方法」は、怒らない人生の教科書にしたいです。
”怒る”という事態は、
人間関係の生ずる様々な場面で発生します。
飲食店を初めとする様々なサービスの現場では
お客さんから怒られることが日常茶飯事です。
会社では、
部下は上司に怒られ、
担当者はお客様に怒られます。
仲の良い夫婦や友人関係においても、
時折、怒り怒られる。という関係が生じます。
野球やサッカーの試合を見て怒っている人もいれば、
ハズレの宝くじや、おみくじを見て怒っている人もいます。
・・・と、こうして考えると、
世の中、至るところで怒っている人が居るのです。
・・という訳で本日は、中谷彰宏さん著
「怒らない人は、うまくいく。: 品格を高める61の方法」
をご紹介します。
仕事柄、様々な企業にお邪魔するのですが、
ときどきマナーが良くて感心する企業に出会います。
そうした企業は、普通、怒ったりするような場面でも、
紳士的に、やんわりとした口調で、物事を調整しながら、
事態を改善の方向に進めていきます。
一方で、隣の会議室から怒鳴り声が響き渡り、
訪れた私がビビってしまうような会社も沢山あります。
もともと私は、すぐに怒ってしまう、
いわゆる切れやすい人間だったのですが、
若い頃、何度も失敗し反省を重ねた結果、
怒らない。怒らない。
・・・と念じながらサラリーマン生活を送っています。
サラリーマン生活で、怒っても良いことは何も無いからです。
それでも私生活の中では、怒ってしまう事はたまにあるのです。
必ずしも大きな声を出して、店員さんを詰める。
とかそんな事は無いのですが、
ムッとしたり、や〜めた。
・・となってしまうのです。
そんな私のような怒りっぽい人のために、
”怒らない”ための工夫が61個も紹介されているのが本書です。
歩けば静まる。
何か食べれば静まる。
寝たら静まる。
姿勢を良くすれば怒らない。
被害者意識を持つと余計に怒る。
期待過剰だから怒る。
周りの目を気にすると怒る。
短期志向だから怒る。
・・・
と簡単な話から、レベルの高く重要な話しまで、
同じ文体でさらっと書かれています。
本書で特に良いと思うのは、
短い上手い文章を用いて怒りを分析し、
怒りの問題点を表現していることです。
印象に残ったものを幾つか紹介しています。
★ 怒りは、第2感情。他の感情が変化して、怒りになる。 p36
怒りの原因は、ひとつ前にある。 p47
→そもそも怒りという感情は、
何かの感情の加工品という事に気付きたいです。
本当は、あーして欲しい。ガッカリした。
不安になった。・・が怒りを生む第1感情なのです。
逆に怒っている人の、第1感情を的確に掴むことが
できれば、問題は解決していくと云うことなのです。
★ 短期発想を、
長期発想に切りかえると怒りがおさまる。 p86
→種を植えても芽は中々出てきません。
その時間を待てない人の心に怒りが生まれます。
その間に自分がやるべき事をやっておけば良いのです。
例えば、電車を待っている間、
線路の先を見ている人にとっては長い待ち時間ですが、
本を読んでいる人にとっては、あっという間です。
自分が成長するのも、人を育てるのも、時間が掛かります。
本を読んで待つような、そんな工夫が必要なのです。
★ 正しさより、カッコ良さを選ぶ。p117
→正義感、正論は、どれだけ正しくても怒りを生みます。
それよりも、その場面場面で格好いい自分を目指します。
怒らず、スマートな対応が出来れば最高ですが、
例え怒ったとしても、長時間ダラダラ怒るのではなく、
サッと怒って、サッと忘れることがカッコ良いのです。
(本書では、この言葉が一番良いと思いました。)
★ 恋愛が続かない一番の原因は、
怒りをコントロール出来ないことです。
→説明は不要でしょう。
私初め、多くの方にとっても鬼門と思います。
ま、結局どれだけ怒っても、
物事が良くなることなど、100%ありません。
本書では、
怒って良くなることが1%、
怒って悪くなることが100%
差し引き−99%悪くなる。
と書かれているのですが、全くその通りだと思います。
スタンスとして、ポーズとして、演技として、
計算ずくで怒っている人もいますが、
そんな人はさておき、
怒らない人になることが人生をかけた修行の一つであり、
そのテキストとなるのが、本書ではないかと感じた今日の一冊です。
- 作者: 中谷彰宏
- 出版社/メーカー: 学研パブリッシング
- 発売日: 2014/09/02
- メディア: 単行本
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