野呂エイシロウ著「ネクタイを毎月3本買う人はなぜスゴイ仕事ができるのか」は久々にパンチのある一冊です。

普段の私は、
適当な格好で会社に行っておりまして、
お客さんの所に行くときだけスーツを着ます。

仕事の具合によって、
全くスーツを着ないときもあれば、
毎日のようにスーツを着るときもあります。

適当な格好と言っても、
さすがにジーンズにポロシャツで会社に
行くわけではなく、
きちんと革靴を履き、
おじさんっぽい格好※で会社に行くわけです。
※ビジネスカジュアルともいうらしい。

そうすると、
スーツセットと、
ビジネスカジュアルセットと、
普段着(週末用)セットという、
3種類の全く異なる洋服をそろえなくては
なりません。

これはこれで、結構お金もかかりますし、
服を買うのも、朝着ていく服を考えるのも面倒です。
そろそろ、いつもスーツで良いかなぁ〜。
などと思っている今日この頃です。


・・・という訳で本日は、野呂 エイシロウさん著
 「ネクタイを毎月3本買う人はなぜスゴイ仕事ができるのか
 ――カリスマ経営者たちが実践している「自分の見せ方」」

をご紹介します。

私もサラリーマンなので、
スーツ用のネクタイが何本もあります。
会社に入ってから、殆ど捨てたことが無いのですが、
そのため、何十本(数えたことがないです)もの
束になっています。

しかもネクタイを買うのはけっこう好きで、
あまりスーツを着ないとはいえ、
ネクタイを定期的に購入しているのです。

いい加減整理(捨て捨て)しないと。
などと、最近はと思っているのですが、
この著者の場合もっとすごいです。

タイトルのようにネクタイを毎月3本買うというのです。
つまりほぼ毎週ネクタイを買う訳です。
そして買った分だけ捨てているそうです。

理由は、ネクタイは結構汚れるし、
クリーニングに出しても値段の割りには綺麗にならない。
ネクタイが汚れていると、相手に失礼なだけでなく、
自分のメンタルも下がっていく。
ネクタイは使い捨てで良いんだ。

そんな事が本書に書かれています。

確かにネクタイには食事の染みなどが付き易いです。
私もクリーニングに出すのですが、
代金が高い割りには、汚れが落ちなかったりします。
おそらく、ネクタイ生地を傷めないように、
クリーニングには限界があるのだと思います。


本書はネットでもだいぶ話題に成っており、
緑色の表紙に「ネクタイを毎月3本買う・・」とあり、
これはうさんくさい本に違いないと、
敬遠していました。

しかし本屋さんで本書を手にとってチラ見してみると、
結構良いことがかいてある気がします。
その日は本屋さんで10冊近く本を買い込んだのですが、
その中の一冊です。
本屋さんで観なければきっと購入には至らなかった
だろうと思います。


本書に書いていることを簡単に要約すると、

出世したら綺麗なスーツを買ってネクタイを締めて会社に行く。
ではなく、
出世したいのなら、綺麗なスーツを着てネクタイを締めて会社に行け。

ということです。

要するにちゃんとした仕事をし、
出来る男と見られ出世したいなら、
服装をキチンとしなければならない。
ということです。

決して高いスーツを買えという訳ではありません。
ただし、夏でもクールビズでもスーツです。

無地の目立たないスーツに、
ワイシャツは白。
ネクタイは無地かレジメンタル(斜めの線模様)です。
安っぽいビニール傘や、透明などこかの会社のロゴの入った
ボールペンは使っては行けないというのです。

そしてこれらは全て取引先の社長など、
仕事のできる凄い人達からアドバイスされたことで、
それを著者は愚直に実践しました。

本書は、その凄い人達から言われ取り入れ、
実践した結果を一冊の本にしたものです。

人は見た目が何割。みたいな本もありましたが、
筆者がスーツで仕事に行くようになったら、
会議室の席順が変わったそうです。
それまでは部屋の端にいた筆者は、
前のほうに座らされ、そして意見を求められました。


筆者はもともと放送作家の出身です。
若い多くの放送作家は、
トレーナーにジーンズにのような格好をしています。
筆者も昔はそうだったといいます。

あるとき、
売れている放送作家はオシャレな格好をして、
外車に載って仕事に来ているということに気付き、

学生時代に貯めた300万を元手に、
100万のスーツ一式と、
100万の中古のベンツを買ったそうです。

(学生時代に300万も貯めたというあたりが、
すでに凡人を越えていますが、)
その300万を、
当時殆ど興味も無かったであろう、
スーツと車(仕事用)に投資したわけです。

すると、その結果、
どうなったかというと、
会議室の席が変わったのです。

席が前の方になりました。
そして意見を求められるようになり、
存在感も増し、仕事も増え、単価も増え、
あっというまに年収は一千万を越えたそうです。
200万の投資は1年で元がとれたそうです。

書かれている内容を、
ページ単位でみれば、成功本の内容と、服装の本を
合体させたような内容でもありますが、
本書から伝わってくるパワーが、
なにか凄い気がします。


そんな著者に言わせれば、
スーツは宇宙服と同じです。

値段が高いとか、高機能という話しではありません。
宇宙服はほんの少しのほころびができれば、
それは命に関わります。
スーツも同様で、
ほんの少しのほころびや、よれよれ感が出れば、
ビジネス生命に関わるというのです。

筆者の場合は年数回のシーズンの初めにスーツを買い、
そしてワンシーズンで着古して捨ててしまうそうです。
(体型も大柄ということで、毎日きていたらそうなるでしょうね。)

そしてこれらは全て、
ビジネスマンは相手第一に考える。
というところから始まっています。

相手に不快感を与えない。
なるべく良い印象を与える。

全ての行動がその1点に集約されます。
つまり、仕事の出来る人というのは、
このように相手の事を常に第一に考える人であり、
そこがポイントなのです。

とかく私たちは、
小さい頃から「外見より中身」とか、
「ボロを着ても心は錦※」とかいいますが、
水前寺清子さんの歌なんだそうです。
戦後の物が内時代ならいざいらず、
現代ではとにかく、相手のために服をきるのです。

著者の野呂エイシロウさんは、
このような気配りをすることで沢山の経営者の方に好かれました。

理由は、野呂エイシロウさんは、どこに連れて行っても
恥ずかしくない格好をしているからです。

その結果、色々なところに誘われてますし、
仕事も益々増えていきます。


同じ服装のレベルの人しか出会いがない。
などとも言いますが、
トレーナーにジーンズであれば、
そんな人達しか集まってきません。
仕事の出来る社長に声をかけられることは無いでしょう。

社長は大概いつもスーツを着てネクタイを締めて
いるわけで、上を目指す人は、
まずは、そういった格好をしないといけない。
ということなのです。

本書の最後には更にいいことが書いてあります。
テレビ番組「情熱大陸」から取材が着て、
雑誌「アエラ」の表紙になるぐらいの気持ちで
仕事をしなさい。という話しの続きで、

 一流を目指すために、
 自分の周りから「アマチュア」を排除しましょう。

というひと言です。

草野球やカラオケに行っている暇ががあったら、
もっと他にやることがあるでしょう。
ということなのですが、

私はこの他に、
つまり、スーツを着ると言うことひとつとっても、
プロつまりモデルにでもなる気持ちで、
洋服を選び、そして着こなさなければ成らないのです。
というメッセージもも感じました。

そうした努力の先に何があるのか、
残念ながら私には分かりませんが、

一緒に高い頂きを目指そう!

というのが本書の最も大切なマインドだと思います。

・・そんな訳で、
今日はたまたま、花冷えですが、
これから夏にかけて考えさせる今日の一冊です。
久々にパンチのある凄い本に出会ったと思いました。



今日のアクセス:323,713(20150508)