「ステキな金縛り」をみました。

最近仕事が忙しいこともあり、
記事を書くほどの本も読んでおらず、
もちろん映画もみておらず・・・

・・といった言い訳はさておき、
どうにか空き時間を工面して、映画「ステキな金縛り」を見てきました。


こんなにも仕事が忙しいときには、
テーマ性のある心に響くストーリや、
綿密に仕上げられたストーリの映画よりも、
・・・
何も考えずに笑える、娯楽映画が見たくなるものです。

その点、三谷幸喜監督の映画は安心です。

事前に予告編を見ているので、
登場する俳優さんや、トンでもなさそうなストーリーは
予め知っています。

どんなパロディー/お笑い路線か、
どんなお涙頂戴をいれてくるのか、

楽しみです。


映画は、(竹内結子さんが一人二役で演じる、)
姉が妹に殺されるシーンから始まります。
このとき、竹内さんが一人二役であることや、
そもそも竹内さんが演じていることも分かりません。

竹内さんはつい最近、映画「はやぶさ」で見たばっかりですが、
全く別の人といった印象です。
女優さんのメイクというか、
演じきり方というのは凄い物だと感じます。


前半特に残るのが、西田敏行さんと深津絵里さんが出逢うシーンです。
深津絵里さんは、もちろん我々世代のハートをつかみまくっている
女優さんです。
ひさびさに大画面(いつもの映画館でも一番大きなスクリーン
&ワイドだったもので)でみると、
(お肌に歳をとったなぁ〜。と、)
竹内さんのメイクの濃さに比べると、真逆の演出で、
妙なリアル感が出ています。


今回の映画の一番の見所は、なんといっても、
西田敏行さん演じる落ち武者の演出です。
※私個人的には、西田敏行さんこそ主役です。

どこまで昔の人調の台詞回しで演じるか、
(設定では1590年頃、小田原攻めの合戦で死んだ、北条氏重臣の設定)
もしくは、今時の人になりきるか。
といったあたりです。

結局、中途半端に昔の人を残し、今時の人になっていたのですが、
個人的には、もう少し、昔の人風にこだわっても
面白かったのではないかと感じました。


今回の映画「ステキな金縛り」では、
西田敏行さん演じる幽霊の演出に、
もの凄い沢山のアイディアを盛り込んでいます。

おなかが空いたといって、ファミレスで沢山のメニューを注文するも、
”幽霊だから”食べることが出来ず、においをかぐだけです。

ちょっと涙がでてきます。

(ただ・し、独身男性的にはこのシーンは、
ウェイターの深田恭子さんの胸元に釘付けになりますが、、、笑)

幽霊の演出は、映画の前編において出てくるのですが、
特に後半、草薙剛さんが出てくるシーンなどは、
学生時代、友人の下宿で見た、デミ・ムーア主演映画「ゴースト」

を思い出したりします。
絶対に参考にしていると思いました。
(・・といっても、私の記憶は定かでもありませんが・・。)


いずれにせよ、幽霊を証人として、裁判を進めるという、
無理な設定を実現するために、沢山のアイディアが盛り込まれています。


さらに映画「ステキな金縛り」の見所は、
キャスティングにもあると思います。
印象に残った方を少しずつコメントしてみます。

中井貴一さん
 弁護士演じる深津絵里さんのライバル検事として登場しますが、
 なにより、毎回着こなしているスーツ姿がとてもカッコ良いです。

 この映画では、バリッとした衣装を着こなしている方と、
 訳の分からない衣装を着ている方と、両極端に分かれています。
 これも重要な演出と思うのですが、見所の一つです。

阿部寛さん
 映画の途中で阿部寛さん役の方が、病院で亡くなってしまいます。
 唐沢寿明さんまで持ち出して、超お笑い演出でしたが、個人的に
 つい先月、知人を病気でなくした物ですから、思い出してしまい
 このシーンだけは、イヤな感じでした。

 映画は見る人によって、同じシーンでも様々な感情をもつ。
 ・・という、ごく当たり前のことを、実感として感じました。
 良い勉強になりました。
 
□KANさん、竹内結子さん 夫婦
 被告人役が、KANさんです。
 ホント申し訳ないのですが、最後まで名前が出てきませんでした。
 我々世代では超有名人ですが・・・。しかい良い味出しています。

 で、その奥さん役が竹内結子さんです。
 KANさんが超地味な衣装で、竹内さんが超ど派手系衣装
 なので、このお二人が夫婦というのは、解せません。(笑)
 
 (解せないといいえば、深津絵里さんと工藤万亀夫さん夫婦も
 個人的に解せません。なぜだろう??)


他にも、山本耕史さんや淺野忠信さんなどボケた感じが絶妙です。

佐藤浩市さんは一瞬、大部屋俳優に役で出ていましたが、
このクラスの俳優さんが大部屋俳優の役をやるというのも、
凄いと思いました。

もちろん、
佐藤さんが演じると、俳優”佐藤浩市”になってしまう訳ですが。


それにしても、西田敏行さんはよくぞ、このような役回りに
応じてくれたと思います。
後半では、若干見慣れた感もあり、メイクも普通になってくる
のですが、登場シーンのメークなど半端じゃありません。

こういった役を演じきる方が一流なのだと、
映画を見終わる頃には、ほとんど尊敬に近い感覚を持ちます。


・・と、このように話は尽きませんが、
とにかく”絶妙”な映画です。


映画館では上映中に、時折観客から笑い声が出ますが、
おなかが痛いという程のものではなく、
適度に笑いを、適度に感動を、といった感じで、
中庸というか、なにかのど真ん中を縫うようなストーリ構成に
仕上げている印象がありました。

演出は”映画”と云うより、”舞台”といった感じがあり、
同じストーリで舞台にしても面白いのでは無いかと思います。

このように、今回沢山コメントを連ねましたが、
とにかく見所が沢山ある映画で、
何度見ても、様々な発見があるのではないかと感じました。


追伸)
エンディングロールでは、深津さんと西田さんの歌が流れます。
他の方も多くコメントしていましたが、深津さんの声がステキで、
惚れてしまいそうです。

映画 「ステキな金縛り」


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