旧作DVDレビュー「ペイフォワード」を観ました。感動的な内容と予想外の結末が悲しいです。

様々な本やメルマガや友人の情報を元に、
未だ観ていない旧作をDVDで観ています。

今回は夏休みということもあり、
数本まとめてみました。

本日は「ペイ・フォワード」をご紹介します。

原題は「Pay It Forward」となっており、
・(ドット)の代わりにitが挟まっています。

そんな事はどうでも良いのですが、

料金先払いというよりも、
見返りを期待しないで、
相手のために何かしてあげる。

そんな意味が近いように思います。

ちなみに海外では、
日本のSuikaのような、
料金先払い的な発想は無いのだそうです。

このシステムは、
日本人の相当なる信頼の上に成り立っている
仕組みなのだそうです。

余談でした。


さて映画では、
A.Iやシックス・センスを演じた少年、
ハーレイ・ジョエル・オスメント」が通う中学校に、
担任として「ケビン・スペイシー」が着任することろ
から始まります。

彼は社会科の担当をしており、
一年間で自分が世の中を変えること。
を課題に出します。

一人一人がプレゼンをして実行に移していくのですが、
歴史上の人物を覚えましょう、地名を覚えましょう。
的な日本の教育現場との違いに、
アメリカらしいなぁ〜と感じます。

アメリカと言えば、
映画の冒頭の登校シーンで、
学校の門に金属探知機があり、
上級生と思われる生徒が、
こっそりナイフをすり抜けさせる画が写ります。

アメリカというのはなんとも物騒な社会だと感じるのですが、
このシーンはラストシーンの大切な伏線となります。

もちろん、
中学生が1年間で本当に世の中を変えることなど、
先生が期待しているわけではありません。

しかし、そういった無理難題にチャンレンジすることで、
子供達の成長に期待するのです。

主人公の少年は、
自分が3人の人になにかしら親切をし、
その3人の人が3人に親切をすれば、
ねずみ算的に、
親切の和がどんどん広がって行くはずだ。

そんな事を思いつきます。
もちろん親切をしないひとも居るでしょうが、
3人いれば、誰かが次に親切をバトンタッチ
してくれると思ったのです。


最初に選んだのは、
たまたま学校の帰り道で目があった、
ホームレスの若者でした。

彼を家に招き入れ、
シャワーを浴びさせ、食事をあげ、
そしてお小遣いの全てを与えます。

物騒なアメリカでは、
これがどれほど非常識なことなのか
わかるのですが、
少年はホームレスの若者を信じます。

しかし麻薬の経験がある彼は、
わずかなお金を手にしたとたん、
再び薬の道に落ちて行きました。

麻薬がストレートに表現されるあたりも
アメリカだなぁ〜と思いながら映画を観ます。

次に選んだのは、担任の先生です。
独身の先生を、
シングルマザーである自分の母親と
くっつけようとするのです。

日本的感覚では、
仮にも学校の先生と自分の母親を
くっつけるなどとは思わない気がするのですが、

結局、少年の努力が実を結び、
2人は引かれ遭うようになります。

しかしここでも、
家庭内暴力をふるう父
(なんと、ジョン・ボン・ジョヴィ)が現れたり、
その先生も家庭内暴力が原因で、
子供の頃、怪我を負ったことが分かります。

さらにアメリカの闇を観た気分に成ります。

そして少年の知らないところで、
ホームレスの若者は、
橋から飛び降り自殺をしようとしていた
女性を助けたり、

仲違いをしていた、
少年のおばあさんと少年のお母さんが
仲直りしたり、

いつしかペイ・フォワード運動は、
大きく広がって行きます。

そして、事件記事が中心の、
冴えない若きジャーナリストにまで
ペイ・フォワード運動が広がって行くのです。

なぜあの紳士は私に親切にしてくれる
のだろうと、不思議に思った
ジャーナリストは取材を重ね、

ついにペイフォワード運動の元となった
少年にたどり付きます。

なにも知らない少年は、
無邪気にテレビの主題を受けるのですが、
しかし、
心の中では「ペイ・フォワード」運動が
上手く行っているとは考えていません。

そして、少年が最後に選んだのが
いつも上級生のイジメに遭っている友人でした。

取材の後、
いつものようにいじめられている少年を、
今日は勇気を持って助けるのです。

そのとき、
先生とお母さんはこっそりロッカーの前で
キスをしています。

いつもは逃げている少年が、
今日は勇気をもって立ち向かってきたことに、
上級生は驚き、恐れ、そして
少年をナイフで刺してしまうのです。

映画の冒頭の金属探知機をナイフが
すり抜けるシーンが、
映画のクライマックスで効いてきます。


・・・と、
ストーリの紹介はコレぐらいにしておきますが、

この映画を観て、
多くの人が感動するのは、

知っているとか知らないとか関係なく、
少年は自分の持ち物、時間、勇気を与えた事です。

結局少年は、
自分の行動の結果や成果を正しく知らない訳で、
最後のシーンは少し悲しいのですが、

結局それが、
今度「ペイ・フォワード」をするのは貴方ですよ。
といったメッセージになっているように感じました。

世の中を動かす力を持つ映画であることは
間違い無いと感じた今日の一本です。