榮倉奈々、豊川悦司主演「娚の一生」は、予想通りのストーリーでしたが、妙に心に残る一本になりそうです。

早くも3月です。
相変わらず映画館への足取りは重く、
本日ご紹介する映画で2本目です。(汗)

他にも見たい映画はいくつかあったのですが、
この映画は見逃すわけにはいかず、
第一優先で見てきました。


・・という訳で本日は、榮倉奈々さん、豊川悦司さん主演映画

 「娚の一生

をご紹介します。


今回は珍しく、
事前に映画の予告編は見ませんでした。

が、しかし、
衝撃的なポスターを目にしてしまいました。

な・なんと、
豊川悦司さんが、榮倉奈々さんの足に
キスをしているのです。

そして、そんな強烈なシーンが、
しかも堂々と映画のポスターになっています。

何じゃこの映画は!
・・と思いました。

榮倉奈々さんが好きなものですから、
これは絶対に!見ないわけには行きませぬ。!!!


そして、次の問題はこのタイトルです。
いったいどう読むのでしょう?

パッと見「おい(甥)の一生」?と思い、
次に、 「むこ(婿)の一生」?と考え、
最後に 「めおと(娚)の一生」に違いない。

・・と思いました。

結局分からないので、
ネットで調べてようやく
「おとこ(娚)の一生」というタイトルと
いう事が分かったのです。

なんだ。”おとこ”かと。。。

ですから、
”おとこ”ということなので、
実は豊川悦司さんが主人公かな?
と思いながら映画館に足を運んだわけです。


映画を見る前に、
年上男性との恋愛ドラマであることは
知っておりまして、実際その通りだったのですが、

気になるのは、
豊川悦司さん演じる年上すぎる中年おじさんが、
どうやって若い榮倉奈々さんを落とすか。
ということです。

調べてみますと、
豊川悦司さんは52歳で、
榮倉奈々さんは27歳です。

ドラマの設定ですと、
榮倉奈々さんは30代半ばということで、
髪を伸ばして役作りをしたそうですが、
私個人的には20代にしか見えません。
(ファンですので、歳も知ってますし。。)
20代中頃の設定と思いつつ、映画を見ました。

ストーリーは、
東京のIT企業に勤める榮倉奈々さんが、
不倫の恋に疲れ、長期の休暇を取り、
お婆ちゃんが住む鹿児島に戻るのですが、
お婆ちゃんは入院先の病院で亡くなってしまいます。

そこに、
昔お婆ちゃんと恋愛関係にあったかどうか
イマイチ分からないのですが、
お婆ちゃんの古い知り合いである
豊川悦司さんがやってきて、離れに住み着くのです。

敷地内に離れがあるような、
大きな旧家に住んでおり、
いまどき、ゼンマイの壁掛け時計があり、
お風呂は薪で焚くような家です。
なかなかありません。

舞台は、鶴水市という架空の田舎町です。
設定は鹿児島県のようですが、
実際は三重県伊賀市で撮影されたそうです。

映画では駅や鉄道が効果的に使われており、
のどかな田園風景が広がるのですが、
なんとなく鹿児島ではないような気はしました。

そんなことを、
映画を見ながらずっと考えておりました。

そして気になるのが、男女の仲の描き方です。

年上のおじさんといっても、
イケメン俳優の豊川悦司さんですから、
まさか、カッコ悪いおじさんでもないだろう。
どんな設定なのか。
どうやって20歳も年下の女性を口説き落とすのか。

今回だけは、榮倉奈々さんの美貌よりも、
興味は、豊川悦司さんに絞られます。
(要するに真似できるところは無いかと・・。)

豊川悦司さんの設定は、
里親に育てられるも学生の頃家を飛び出し、
(どうも)鹿児島の大学に入り、
現在は、哲学の教授をしています。

女子学生にかなりモテる男ですが、
若い頃の、榮倉奈々さんのお婆ちゃんとの愛を貫き、
一度も結婚したこともなく、いまだ独身です。

その割りには、
女性を沢山知っているかのような口調で、
「練習やと思って俺と恋愛してみなさい(命令形)」
榮倉奈々さんを誘い、思いっきり嫌われます。

そんな設定が現実的にありうるのか?
という点も映画を見ながら、
ずっと疑問でした。

結局、最初は嫌がる榮倉奈々さんを、
しつこく押しまくって射止める。
ということなのですが、

映画の後半に微妙に、
モテ無い男のようなナイーブな面もみせ、
そんな人(おじさん)がいるのか??
・・と私をさらに混乱させます。

さらに映画では、
榮倉奈々さんの友人が遊びに来たり、
遠縁の子供を預かったり、
お祭りにいったり、
不倫相手だった、向井理さんが離婚して、
榮倉奈々さんを追いかけて鹿児島までやってきたり、

様々なイベントを乗り越えて、
榮倉奈々さんの足にキスをするという
問題のシーンに突入します。

榮倉奈々さんの足を
豊川悦司さんが、キスすると言うより、
結構べろべろに嘗めているのですが、
味方によっては、
普通のHなシーンよりもいやらしく、
その時の榮倉奈々さんの表情は
(残念ながら)微妙でしたが、

そのあと、お決まりのように、Hシーンを飛ばし、
終わった後。という構図に切り替わりました。

このようなSEXシーンの表現の仕方もあるのだな。
と思いました。

榮倉奈々さんがベットでうつむけになり、
上半身が裸ですが、
けっこう立派な背中をしていたのが印象的です。(笑)

そして、何十年かぶりに、
豊川悦司さんの育ての親の家に行き、
古いシトロエンにのって、
京都の竹林に出掛け、
着物を着た榮倉奈々さんと二人で歩くのです。

竹林の中を歩く、
着物姿の榮倉奈々さんも素敵すぎて、
なんの映画を見に来たのか、
そのときは一瞬わからなくなります。

私も彼女と二人で、
あの竹林を歩いてみたいとものです。
(などと一瞬空想します。)


最後は、台風の中、近所のお婆ちゃんを
助けるシーンです。
いいところで豊川悦司さんが登場してしまうのが、
ちょっと定石過ぎて、いまどきこんな
映画はあるのか〜ぁ〜。???と思うのですが、

最後は、めでたし・めでたし。
と幕を閉じます。


そんな一夏を描く映画です。
決して、一生は描かれていません。(笑)


豊川悦司さんの設定をもうすこし詳しく
書いて置きますと、

殆どの衣装は、ボタンダウンの白シャツ
(但し襟のボタンは外れている)に
黒いズボンです。
何故か何時も下駄を履き、
そして今時めずらしい、
ハイライト(煙草)を常に吸っています。

京都生まれと言うことで、
常に関西弁をしゃべっており、
往年の坂本龍一さんを思わせる、
ストレートヘヤーです。
地毛かどうかわかりませんが、
50代にしては髪が厚いです。

そんな豊川悦司さんが、
何故か榮倉奈々さんを好きに成って
しまうという設定ですが、

どこから、
そんな気持ちになったのか、
少なくとも私には分かりませんでした。
昔愛したおばあちゃんに似ていたからでしょうか?

そして不自然なのが、
そんな謎の年上の男が結婚したいといわれ、
榮倉奈々さんの親も友人も特に反対しないことです。

特に榮倉奈々さんと、根岸季衣さん親子は、
こんな親はあるのかな?というへんな感じです。
普通反対しそうですが、
「お婆ちゃんが引き合わせてくれた人」
何時までも嫁に行かないので、もらってください。
そんな感じです。

・・と、こんな映画ですが、
これは原作を読んでみないと良く分からない。
・・と戻ってWikiを調べたところ、
原作は少女漫画(女性漫画?)でした。
あ〜。この違和感は、これか。
と納得しました。


クールで知的。
社内的に恵まれた地位を持ちながら、
育ちに影があり、
やや強引でぶっきらぼう

若い恋敵と喧嘩するような幼い面も持ち、
女の気持ちが分かり、
情熱的で、
そして女性に尽くしてくれるのです。
そして見た目は豊川悦司さんです。

こんな独身男性いないだろう。
という疑問は、
つまり、中年おじさんとはいえ、
少女漫画で描かれる、
知性と金の容姿端麗な理想の男なわけです。

全4巻ぐらいの漫画と言うことで、
簡単に読めそうなので、
読んでみたいと思うのですが、
なんと累計150万部の大ベストセラー
なんだそうです。


この映画には印象深いシーンが沢山あります。

個人的に良かったのは、
預かった子供が親と共に帰るシーンで、
豊川悦司さんが、住所だけ書いたハガキの
束を子供に渡し、
なんかあったら、書いてポストにいれるんだぞ。

というシーンです。

印象に残ったセリフも多々あるのですが、
一番良かったのは豊川悦司さんが
親戚に結婚を宣言するときのセリフで、

「恋なんで仕方有りませんでした」

という言葉です。

恋なんで仕方ない。とは、
なんという理屈を越えた説得力のあるセリフかと
思いました。

私に一番不足する部分かと感じました。


映画「娚の一生」は、
榮倉奈々さんと豊川悦司さんのダブル主演で、
タイトルの難しい「娚」文字は、
男だけではなく、男女二人の物語
という意味のようですが、

こうして映画をみたあとで、色々と書いてみると
主演はやはり豊川悦司さん、即ち男ではないかと
思いました。

最初は豊川悦司さんと榮倉奈々さんの二人の絵は
違和感があるのですが、
映画の後半で、向井理さんと榮倉奈々さんの
シーンを見たとき、普通に美男美女すぎて
これでは絵にならない。
と感じました。

豊川悦司さんと榮倉奈々さんの二人のほうが
絵的に合っているようにみえるのです。

特に今回の豊川悦司さんは、
決してカッコ良い絵になっていないのですが、
この感じは、自分でも不思議でした。

また、女性のお客さんが結構いたのですが、
割と映画中で、ウケていました。
確かにそういった面白さもある映画と思います。

そんなわけで予定通りのストーリーではあるものの、
印象に残るシーンがとても多く、
結構楽しめた、今日の一本でした。


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