「恋の罪」は、エログロ系でした。

最近、
暗い映画や重い映画を避けています。
というのは、映画を見ることに対して、
ストレス発散を期待しているからです。

そんな時には、心の底から笑える娯楽映画とか、
感動でつい涙が出てしまう系の映画が一番です。

しかし、本日ご紹介する「恋の罪」は、
笑いや感動などの娯楽系の映画ではありません。

映画を見る前に、ネットで少しだけ内容を確認しましたので、
どんな映画なのか、おおよそ分かっていました。

実際に渋谷で起きた、殺人事件を題材にしているそうなのです。

(「踊る大捜査線」のような娯楽映画だったら話も別ですが、)
殺人事件を映画で見る気は、ちょっと起きないのですが、
でも、
今時の映画なら、きつい描写も無いだろう。
・・と(勝手に)想像しました。

今にして思うと、
水野美紀さんのヌードをみたい私の脳みそが、
都合良く判断してしまったのです。

(水野さんと言えば、「踊る大捜査線」でも有名ですが、
最近は登場していませんね。)

そうなのです。
ストレス解消には、Hな映画も良いと思うわけなのです。(笑)


映画が始まり、見慣れぬオープニングに、「日活」なんだ。
・・と少し感動したら、
映画の冒頭で、待望のシーンが現れました。

最初っからこの調子だと、
これは、凄い映画(Hな意味です)に違いないと、
その後を期待しましたが、見終わってみると、そこだけでした。

もっと厳しめに言いますと、
はたして、この映画に水野さんは必要だったのだろうか?
という位の印象です。
なんとなく、水野さんのヌードが映画の話題作り、
つまり販促だけに使われているような気もしました。


映画「恋の罪」は、
神楽坂恵さん演じる、人気作家の奥さんが、平凡な日常生活
の不満から、AVのスカウトに騙され、落ちていくストーリー
から物語が始まります。
富樫真さん演じる、渋谷の立ちんぼと出逢ってからは、
さらに激しい展開となります。

立ちんぼの富樫真は、実は良家の子女で大学教授なのですが、
最後にバラバラ殺人死体となってしまいます。
その殺人現場や死体の表現がなんともグロく、
ホラー系に弱い人は、やめたほうが良いと思いました。

(この映画ではじめて、富樫真さんを知りましたが、
 知的にしてすばらしい演技力をもち、それでいて脱ぎっぷり
 もすばらしい。という、、
 これまで見たこともない凄い女優さんと思いました。)

私も高校生位に、ほんのひとときホラー系にはまったことが
有りますが、今時のこの手の技術は、ちょっと笑えませんでした。
レベルが違います。


絵的には、
グロ系の時間よりも、エロ系の時間のほうが遙かに
多いと思いますが、
映画を見ながらグロ系の映像がいつ出てくるかと思うと感じも悪く、
よっぽど途中で止めて出てこようかな。
と思ったりもしました。

しかし、、、
見なかったほうが良かったかと言えば、
そうでもなく、
結論をいうと、やはり(最後まで)見て良かったと思いました。


この映画「恋の罪」は、
エロさとグロさが圧倒的な映像力で表現されています。

もしも世の中に、「映画に犯される」という表現があるとしたら、
この映画にぴったりと思います。

このようなパワフルな映像表現を用いて、
映画が観客に問うているのは、なにか哲学的なものでは無いかと感じました。

この映画は「哲学」なのです。

人間の持つ複雑性が、エロとグロを通じて、容赦なく観客に訴えます。


映画の最後には、予想していた殺人の残虐シーンが無かった演出も
効果的だったと思います。
一歩間違うとホラー映画となる寸前のところで、
止めていたように感じました。


カンヌ映画祭に出品するということですが、
この映画の持つ複雑性や、エロさと怖さが紙一重で重なる、
なんとも日本的な感覚が、果たして外国の方にどのように評価されるのか?
と思いました。

必要以上にエロく、必要以上にグロく、
見ていて気持ち悪くなる感もありますが、
それを超えると、その先に見えてくるのは、
哲学の世界と、日本的芸術感覚のように感じました。

この秋冬見た映画の中で、
恋の罪」は、最もインパクトのある1本に違いありません。


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