「ツナグ」は亡くなった人への想いだけでなく、今を生きる私たちが大切にしたい気持ちを感じました。

先週あたりから、
突然、気になる映画が増えて参りました。

どんな訳か分かりませんが、
見たい映画が重なることがあります。

全部見ることも出来そうにないので、
私の好きな邦画から、優先して見ることにします。

先ほど映画を見てきたのですが、
連休の最終日のしかもレイトショーというのに、
意外と混んでいました。

・・そんな訳で、
今日は映画「ツナグ」をご紹介したいと思います。

映画「ツナグ」は、予告編の段階で人気が出そうな
雰囲気を感じました。
(私の通うシネコンでは大きな劇場でした。)

予告編を何度も見たので、

このタイプのストーリーや雰囲気は、
こんな感じに違いない。
と内容を予想していました。

映画を見た印象では、
こう来るのか。・・と少し設定が違う部分が
ありましたが、概ね予想通りでした。

もちろん、概ね予想出来ることは、
それは悪いとか、つまらないという意味では
全くありません。
あえて予想をした映画を見る訳ですから・・。


主役の松坂桃李さんは、
亡くなった人と、生きている人の間を

「ツナグ(の見習い)」を演じます。

「ツナグ」は一生に一度、
そして一晩だけ、
亡くなった人の許可を得て、
生きている人が、亡くなった人と会うことができる。

そんな仕組みです。


キャストは主演の松坂さんと共に、
ほぼ主演級を演じるのが樹木希林さんで、
松坂さんのおばあちゃん役です。

現役の「ツナグ」を演じます。

映画の全編に渡って登場し、
個人的には樹木希林さんの映画と云う位の
役所を演じます。

そして、
松坂さんの高校の同級生が、
橋本愛さん、大野いとさんです。

二人は親友で、同じ演劇部の所属していますが、
卒業発表の舞台の主演を巡って、
ケンカ別れしたのち、
大野さん役が交通事故で亡くなってしまいます。

大野さんの母役に浅田美代子さんが
少し登場します。

松坂さんの両親役には、
別所哲也さんと、本上まなみさんが演じます。

セリフは無かったように思いますが、
いかにも良い雰囲気の両親役を演じています。

本上まなみさんは久々に拝見しましたが、
大変雰囲気が良くてお綺麗です。(ハート)

そのほか、「ツナグ」のサブストーリを
構成するために、
佐藤隆太さん、桐谷美玲さん、遠藤憲一さん
また、重鎮として八千種薫さんや仲代達矢さん
も登場しています。

八千草さんは81歳でたいへんお美しく、
仲代さんも79歳ですが、全く歳を感じません。

お二人ともに演技を難なくこなしているように
見えました。凄いと思います。


映画は、遠藤さん、橋本さん、佐藤さん、
がそれぞれ「ツナグ」にまつわる、
オムニバス風のストーリを絡めて展開します。

あるシーンでは見慣れない若い俳優さんの映画となり、
別のシーンでは、見慣れた俳優さんがの映画となる
ような雰囲気でした。


画面の質感は、あまり重くもなく軽くもなく、
適度な印象を持ちました。
一番のワイド画面でノイズも少なく画質は良好
だったと思います。


映画のメインストーリーは、
予告編でも何となく分かるとおり、

身近な人が亡くなってしまうと、特に生き残った方に、

ああ言えば良かったとか、仲直りすれば良かった
といった、様々な未練や後悔の気持ちが残ります。

そんな人達が、
「ツナグ(使者)」を通じて、
もう一度亡くなった人と合う機会を得るというものです。


日本では「イタコ」という霊媒師の人がおります。

映画のように、実際に亡くなった人が出てくるわけでは
ありませんが、「イタコ」を通じて、
死者と会話することができます。

私も子供の頃、一度だけその様子を見たことがあります。
(「イタコ」がホントか嘘かは抜きにして、)
今回の映画をみて、「イタコ」は「ツナグ」と似たような
役割をもっており、

今風に云えば、
死に別れしてしまった人達の「メンタルケア」をする。
ということになるのではないかと感じました。

「イタコ」の場合、亡くなった人が霊媒師(イタコ)に
乗り移り、生きている我々と会話をするわけです。

「元気ですか?」と聞けば、「元気だよ」と答え、
「こうすれば良かった」とか生きている人がいうと、
「大丈夫だよ。心配しなくても良いよ」

みたいな事を「イタコ」の人が言います。

今回みた「ツナグ」の場合も、
死者を演じる側の演技がどことなく、
達観しており、生きている人に対して、
ひたすら優しい演技をしているのですが、
「イタコ」と似ていると感じました。


このほかに、私が映画「ツナグ」を見て思ったのは、

ある日突然別れが来るのは、
何も事故や病気で亡くなってしまうケースだけではなく
普通に生きている私たち人間同士でも起きることです。

仕事や趣味のちょっとしたつきあい、
恋人関係、子供の友達・・・、
ある日突然つきあいが途絶えることがあります。

メシの一回でも食えば良かった。
みたいな話は至る所で発生しますし、

映画のようにケンカした後でも、
仲直りすれば良かったとか、
もっと、その人を大切にしておけば良かったとか、
そういった状況は沢山あります。

劇中に何度か出てくる言葉に、

「やらなかった後悔より、やった後悔(ちょっと違うかも)」

や亡くなった大野さんが、松坂さんに

生きている内に遣りたいことは、全部やったほうが良い。
私は何も出来なかった。これが死んだ私からの生きている
松坂さんにできるアドバイス。(こちらもちょっと違うかも)

・・といったセリフがあります。

つまり、この映画「つなぐ」のメッセージは、
「後悔しない人生を送ること」
(を先に死んだ人は望んでいる)

ということではないかと感じました。


映画「ツナグ」で唯一イマイチなのは、
松坂桃李さんが23歳にして高校生役をしている点です。
(いい男は若く見えるのでうらやましい・・)
同級生役の橋本さん、大野さんが、16〜17歳なので、
別の役者さんでも良かった気がします。
(ただ、女性の方が若作りは厳しいのかな?)


この映画で最も良かったシーンは、
やはり、

亡くなった大野いとさんに合い、
ひたすら誤る橋本愛さんの姿です。
つられて、大野いとさんも涙を流します。

橋本さんと大野さんの二人の親友は、
実はどちらも松坂さんが好きで、
大野さんは、亡くなったあと、
初めて「ツナグ」の松坂さんと会話します。

(死んだ後といいつつも)大いに喜ぶのですが、
その時同時に、親友の橋本さんも
松坂さんを好きな気持ちを知ります。

複雑な状況で二人は会うのですが、、
親友であり、ライバルであり、恋敵であり、
お互いを理解しつつも複雑な関係の二人の涙に、
(しかも美しき乙女の涙をみて、)
つい、私も涙がでてしまいました。
(映画をみて泣いたのは、タイタニック以来かも。)

ちなみに、このシーンでの橋本さんは若き頃の、
常盤貴子さんに似ている気がするのですが、
(個人的に常盤さんが大好きな物で・・・)
これから大変期待が持てる役者さんと思いました。

秋の夜長に感動して涙を流したい方には、
お勧め出来る映画です。

樹木希林さんが素晴らしいですし、
そして泣けます。


http://tsunagu-movie.net/



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