内藤誼人著「他人に軽く扱われない技法」は、とても参考になりますが、若い方的には”取扱注意”の一冊です。

本日は内藤誼人さん著

「他人に軽く扱われない技法」

をご紹介します。

著者の内藤誼人さんは、
心理学の本を多数出版されております。

私もいくつか読んだ事があるのですが、
他の心理学者の先生が書かいた書籍に比べて、
ちょっと個性的というか、
若干ブラックな視点で
記述されている印象を持ちます。

恐らく、本の売り上げを考た
マーケティングの観点から
意図的にそうしているのだと思います。

私個人的には、
本は内容が良くて、
参考になれば良いと考えていますので気になりませんが、
そういった文体は、
悪い印象を持つ人も沢山いそうな気はします。


また、
内藤誼人さんの本は、出典と成る論文などの
参考文献が記されていることも特徴です。

ただし参照される論文の殆どが、
海外の論文のため日本人には合わないのではないか。
という指摘も本の書評などで見かけます。

本書を読むときは、
多少はそういった点も差し引いて考えないと
いけないとは思います。


ところで、
仕事の出来る人は性格が悪く、
仕事の出来ない人ほど性格が良い。

といった事が書かれるビジネス本があります。

仕事が出来る人

即ち、売り上げや成果を上げる人は、
何をやっても許される傾向にあり、

時にワガママだったり傍若無人なふるまいが
目に付くというネガティブな評価ではなく、

むしろ逆に、

仕事の出来ない人は、
存在感も無く、社内から嫌われないために
性格が良い人を装うといった話です。

本書にもこのような話が書かれています。

例えば、
本田宗一郎さんは、
仕事に厳しく、とても怖いおじさんでした。
しかし、時折みせる部下への気遣いが、
により人望を集めた。

”他人から軽く扱われないようにするには”
強面で良い。

・・といった事例です。

ほかにも、時には逆の質問をするとか、強面に出る、
(欲しい仕事でも)忙しいフリをする。
などがありますが、

あくまでも、
”他人から軽く扱われないようにするには”
が頭に付きます。


本書で参考になるところは多々あるのですが、
たとえば、

・(ビジネスでは)実年齢よりも年上に見せる
 →私の経験でも、確かにその通りだと思います。

・時にはハッタリも大切
 →年齢の話とも似ていますが、経験年数など多少の
  ハッタリもしないと営業的には弱いです。
 
・伝統を感じられる物を身に付け、安っぽい物は止める
 →コンサルタントの人は、高級スーツに高級時計を
  していますが、ビジネスにおいては、見た印象も
  大切と思います。

・・・
などです。

特に個人的に面白かったのは、
 
・親しい人にほど、おごる
 後輩とご飯や飲み会に行くときにでも安易におごらない。
 (これは先日ご紹介した「大富豪アニキ」の真逆をいく)
 ”おごり”も成れてくると、ありがたみが無くなるから。
 といいます。

 また、調査で親しい人ほどありがたみを感じるらしく、
 ちょっと知り合った程度の人は、
 喫茶店のコーヒーで十分とあります。
 データがあるので、なるほど。と思います。

・プロとアマチュアの違いは、単なる練習量。
 ピアニストになった人とアマチュアの人の練習量
(子供の頃から24歳まで)を比べたら
 20倍の差があったという。
 つまりプロとアマの違いは
 練習量の違いでしかない。といった話。

 その練習量をこなせるところが才能である。
 とは様々な本に書かれていますが、
 本書に示される、実データは説得力があります。


などでした。
(参考になった点が多く、ちょっと書ききれません。)


なるほど、と素直に感じる事や、
これを堂々と書いても良いモノ?
と思うような事まで幅広く紹介されていますが、
いずれも、心理学的には証明されている内容です。

本書を読んだ印象は、20〜30代向けの
比較的若手のビジネスマン向けと内容と感じますが、

本書の最後に内藤誼人さんが書かれているとおり、
本書の内容は、あくまで上級編であり、

そのまま使ってしまうと、
墓穴を掘るケースもあるのではないかと思います。

この点は要注意です。

私個人的には、かなり参考になりますが、
取り扱い注意な今日の一冊と感じました。



 
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