内田和成著「論点思考」には、BGC流のコンサルティング手法が詰まっています。

昨日一昨日と、
楽しい映画の話題を書きましたが、
今日は真面目なビジネス本をご紹介します。

・・という訳で、
本日は内田和成さん著

「論点思考」
ーBCG流問題設定の技術ー

です。

著者の内田和成さんは、
ボストンコンサルティンググループ(BCG)の
日本代表を務められた方です。

BCGといえば堀紘一さんが有名ですが、
お二人の経歴を調べてみると、

堀紘一さんが2000年に退社し、
内田和成さんが2000年から代表を
務めていますので、

堀紘一さんの後任と思います。
ですからプロ中のプロの経営コンサルタントです。


本書はベストセラーと成った「仮説思考」に続く物で、

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「仮説思考」も「論点思考」もどちらも
コンサルタントとして大切な思考法のひとつです。

「仮説思考」はその言葉通り、
仮説検証型のアプローチを取ることで、
効率よく業務を行うためのアプローチです。

一方「論点思考」という言葉からは、
内容を想像しにくいですが、

何が真の問題なのか、
何が大切な問題なのかをよく考え
問題解決を行うアプローチです。

例えば、
ある企業の利益が下がったという命題に対し、

コストダウンを論点とするか?

もしくは、

商品購買層のセグメント変化したことに
よる売り上げ低下を論点とするか?

どちらが正しい論点なのか良く見極め、
議論を進める必要があると云うことです。

本書ではピーター・ドラッカー
==
 「経営における最も重大な過ちは、
 間違った答えを出すことではなく、
 間違った問いに答えることだ。」
==
を引用しています。


本書の良いところは、
BGCの一流コンサルタントの仕事の方法が
少け髪間見ることが出来る点です。

例えば、本書には仕事の出来る
コンサルタントはいわゆるフレームワーク
そのまま使う事をしない。
と書かれています。

もちろん、仕事の道具として、
何時でも使いこなせるように訓練はされていますが、
実際には、フレームワークをあまり用いず※、
コンサルタントの独自の方法で
問題を考えていきます。

※最も基本と成るフレームワークのイシューツリーや
 MECEでさええも使わないそうです。

他にも、
沢山の答えが導き出されても、
特に効果的に実施しやすいものを選んで
お客様に提案することや、

相手の求める答えを意識しながら、
提案することなど、

やや人間臭く、泥臭い仕事ぶりは、
著者と似たような仕事を本業にしている
私にとって、

淡泊であっさりした書き方であっても、
かなりリアルな仕事の様子を
イメージすることができました。


ところで、
ここで参考までに、
本書でまとめられる10の思考法をご紹介します。

1,逆から考える
2.業界最下位だったらどうするか考える
3.現場目線で考える
4.両極端に振って考える
5.ロングレンジで考える
6.自然界からの発送を参考にする
7.日常生活(消費者として)から考える
8.アナロジー(類比、類推)から考える
9.顧客視点で考える
10.鳥の目・虫の目で考える


本書は、コンサルタントの方が読めば、
どう云った話か良く分かる内容です。

ですから、
コンサルタント向けの本というより、
現場で問題解決に当たる中堅ビジネスマン向けの
教科書的な内容と感じました。

コンサルタント中のコンサルタントが書いた
本ですから、
仕事の出来る系の社員さんや、
創業社長さん系が書いた他のビジネス本とは、
ちょっと次元の違いを感じます。
(もちろんパッと見た感じも難しい印象です。)

問題解決や企画提案業務をしている方に
お勧めしたい今日の一冊でした。



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