喜多川泰著「君と会えたから」を読みました。

街の本屋さんで、本を買っていた時代は、
表紙のデザインや質感も、本を選ぶ基準の一つでした。

手に取って、パラパラめくり、
中身を確認してから購入する訳ですが、

購入後は、本屋さんの紙カバーをつけてもらうので、
表紙を見るのは、購入時のみ。
といった事が多かったと思います。

そのため、
本の表紙は販促につながる事が、重要だったと思います。


現在では、多くの本をネットで購入するようになりました。
通販サイトの小さな写真画像では全く頼りにならず、
書評で購入することが増えてきました。
※このため、便利かと思い、アマゾンさんにリンクを貼っています。

しかし、通販で購入すると,本屋さんの紙のカバーが無いため、
本を読む歳に、表紙は必ず目に入るようになりました。


今も昔も、本の表紙は、中身をイメージで表現する、
”顔”であることは、間違い無いのですが、意味合いが違っています。

つまり、現在では本の表紙は、
その本を読む際や、読んだ後の印象を左右するもとのなっています。
これは表紙が持つ、本来の機能と考えるので、良い事だと思います。

(しかし、それを反映した結果がこのようなネットで書評として、
広まる訳で、販売サイドとしては、どちらも販促ですね。)


前置きが長くなりましたが、
本日ご紹介する、「君と合えたから」の、表紙(本来の紙カバー)は
水色を基調とし空をイメージする背景に、
紙飛行機が飛んでいる様子を、イラストにしたものです。

本の表紙について、前置きを長く書いたのは、
本書の表紙がとても良いと感じたからでして、

この色合いのイメージは、
重要な登場人物「ハルカ」という女性の
雰囲気にぴったり合っているように感じました。

また、紙飛行機は、文中にも度々登場するのですが、
残された時間は長くない。という、本書の主題の儚さを、
長時間飛べない紙飛行機に託しているように感じました。


本書の内容は、
男子高校生である主役「ヨウスケ」が、同じく女子高生「ハルカ」と
出会い、人生(感)が変わって行く一夏を小説風に表現しています。

人生の成功論を、中高校生位でも読めるような小説風にしたもの。
と書くと、少し雑な感じもしますが、
しかし、そんな印象の本で、
それは悪い事とは思いません。

本書を読んで、
子供だから、大人だから。といったことを超え、
心に迫る物を感じたからで、
(詳細は読んで頂きたいので、ココでは書かない事にしますが、)
大人が読んでも、ちょっと心に染みるものがあると思います。

それはきっと「死」を絡めてストーリ化されていることと、
甘く切ない(笑)、男子高校生を主役にしている事に、
原因がありそうな気がします。

いい年になった、(私を含めた)大人の多くも、
残り時間の大切さを理解しているとは言い切れませんし、
男はいつまでも、少年の心を持っている訳ですからね。(爆)


多くの成功論やビジネス本を読んだ方は、あまり目新しい物は
無いかもしれず、企画本色が目につくかもしれませんが、
それでも、若い頃や、自分の子供の将来などを思いながら、
(特に、)多くの男性に読んでもらいたい一冊と思いました。