マルコム・グラッドウェル著「第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい 」本書は是非読んでください。

以前は定期的に本屋さんに通い、

一番目立つ場所に平積みされる、
ベストセラー本を手にとり、
軽く内容を確認して購入の判断をしていました。

確認に要する時間は、ほんの数秒です。


現在はアマゾンで本を購入することが多く、
ネットやメルマガ(とアマゾンのお勧め)の記事を
参考にしながら本を購入します。

ネットの記事を確認する時間は、
どうしても数分程度かかります。

しかし、
購入した本の当たり外れ率を考えると、
圧倒的に数秒で選んだ、
前者のほうがアタリ率が高いように思われます。

後者はどちらかというと、
確認の為に手に取った本を
全部買ってみるようなものです。

本屋さんでは、自ら手に取らない良本に
当たる可能性もありますが、
その分ハズレも多い訳です。

ですから、面白くなかったら途中で止め、
処分する読み方の人に適しているよ感じます。

ただし、
どちらの方法も、
これは読んでおけば良かった。
と後で読み漏らしたと思う本があるものです。


・・という訳で本日は、マルコム・グラッドウェルさん著
沢田 博さん・ 阿部 尚美 さん訳の、

 「第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい 」

をご紹介します。


本書は2006年の出版のベストセラーで、
本屋さんで何度も手に取りながらも
購入には至りませんでした。

その後何年もしてからネット記事を読み、
アマゾンで購入し、

さらに何年か机の横に積読本として熟成され、
先週読んだ次第です。(汗)


本書を読み終えた率直な感想は、
こんな良いことが書かれている本を
何故今まで読まなかったのだろうということです。

理由は、
文字のびっしりつまった訳本であることとの他に、

タイトルから、
ビジネスや実用的な内容では無く、
学問というかサイエンス的な読み物と思い、
あとで読もう。と考えてしまったことです。


そして本書の場合、
読み始めるまでの、私個人のストーリーが面白く、

というのは、
本書を読む前に、クリス岡崎さんの
「一瞬で夢がかなう! 「人生のシナリオ」を書き換える法」

↑アマゾンにリンクします。

を読んだところ、
その中に、カップルの会話により、

15年後の二人が、
相変わらずラブラブか or 別れたり離婚しているか
を高い確率で予測できるという、
ジョン・ゴットマン博士の研究結果が紹介されていました。

クリス岡崎さんの本では、
カップルの予測ネタを紹介した後で、

つまり、成功者には共通の”なにか”があり、
その人をみれば成功するかどうかがわかる。
と、ナポレオン・ヒルの話しに続くのですが、

私的には、恋人同士の会話により15年後の・・
という恋愛というか占い的な内容が気になり、

出典となる参考文献が読みたい。
・・と思いながらも紹介されておらず、
残念に思っていたところ、

なんと、続けて読んだ本書の冒頭に、
この実験の様子が詳しく紹介されていました。

そして、さらに原書をネットで調べてみると、
勝間勝代さんが詳しくご紹介していました。
↓ご参考です。

日々の生活から起きていることを観察しよう!!: 結婚生活を成功させる7つの原則~5分の観察で離婚確率が91%わかる!!

今時ネットで何でも出てくるのだ。
と今更思います。
(そして勝間勝代さんはさすがです。汗)


本書の記述を簡単に紹介すると、
恋人どうして最も危険な会話は、
相手を見下す(軽蔑)する言葉を使う
ケースなのだそうです。

カップルが上手く行くか、破局するかなど、
原因が複雑すぎて一般の人には分からない
と思われがちです。

しかし、
沢山のカップルの会話をビデオにとり、
何年後も追跡調査をした研究結果によれば、

二人の用いる言葉によって、
占い以上の高い確率で、
未来を予測できてしまうのです。

著者は実際に、
1組3分のビデオを10組みて15年後の未来を予測する。
という実験をやってみたそうです。

結果には自信があったそうなのですが、
結果的に確率5割りでまぐれ当たりと同じ確率でした。

同様な実験を、
結婚カウンセラーや臨床診療士、宗教家など、
心理や結婚に関する専門家に行ったデータでは
同じように53%程度の成功率だったそうです。

しかし、ジョン・ゴットマン博士は、
カップルの言葉を分析することによって、
95%程度の確率で当てることができるのだそうです。

つまり、
二人が出会ってカップルとなる頃には、
潜在意識で相手を見下すようになるケースがあり、
そうしたカップルの多くは破局して
しまうということなのです。


本書ではこういった沢山の興味深い事例が
紹介されており、
例えば、

・美術品の真贋を一瞬で見抜く専門家

第二次世界大戦中のモールス信号でも、
 個性が表れ、通信士が何処にいるのか
 手に取るように分かる話

・同じミスをして訴えられる医者とそうでない
 医者の違い

・事前にみた情報によって、行動が抑制されたり、
 テストの点数が変わってくる話

などなど、
興味深い事例が続き、
どんどん次を読みたくなり引き込まれていきます。

脳みそに汗が流れるような濃い気分になると共に、

コレが科学の力か。

・・と感心します。


著者のマルコム・グラッドウェルさんは、
サイエンス系の記者・ライターが本業ということで、
学者という訳ではありませんが、

その分、
事例が豊富で分かり易く、
面白い文章となっているように思います。


本書を執筆するにいたったきっかけは、
髪型を換え(髪の毛を伸ばし)天然の
アフロヘアーになったとたん、

職務質問されたり、
セキュリティーチェックが厳しくなり、

科学系ライターということで、
科学的な理由を調べ始めたことが
きっかけなのだそうです。


タイトルにもあるように、

時系列や様々な証拠物件が無くても、
人はぱっと見た最初の数秒間で人や物を判断し、
(本書では輪切りという表現が用いられる)

特に専門家はかなりの高確率で、予感が当たる。
ということなのですが、

警察官が著者に職務質問したのは、
残念ながら、

有色系でアフロな人は犯罪率が多い。
という潜在的な経験則に基付いているわけです。


本書では前半に、
一瞬の判断が正しい事例を紹介し、
後半では一瞬の判断が誤る事例を紹介しています。

一瞬の判断は正しい。
一瞬の判断が誤る。(判断が停止する)

本書では、
この両面を調べ記載することにより、
著者の誠実さが感じられるとともに、
本書の価値をいっそう高くしているように思いました。


という訳で、
本書を読んで特に自分にフィードバック
するべきことは、

・人は一瞬の外見により判断される。
 (だから服装や姿勢も大切)
・用いる言葉によって未来が決まる。

この2点と思いました。

もしも本書が出版された頃タイムリーに本書を読んでいたら、
これらの大切なメッセージは
理解できなかったかも知れません。

そういった意味では、
今頃本書にを読んだのは、とても有意義でした。
つまり、これも何かの縁だと感じました。


まだ読んでない方は、是非ご一読ください。!
素晴らしい内容だと思います。



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