松永茂久著「感動の条件 ~あなたの一生を1時間で変える本~」を読んで仕事や人生の意味を考えました。

昔、あるコンビニチェーンの
出入り業者をしていました。

そのコンビニチェーンの経営状態は、
良くも悪くも無かったのですが、
業界全体に勢いがあった割りには、
今ひとつ冴えない印象でした。

しかし、
元々大企業の資本を背景に
スタートした会社だったこともあり、
社風は温厚で付き合いやすい企業でした。

ところがある日突然、

当時メチャクチャ勢いのあった
飲食グループに買収されることになりました。

私は出入り業者なので、
あくまでも冷静に、
仕事を進めていたのですが、

買収してからしばらくすると、
私の担当部署であった本社のある部門に、
(チェーン店の場合、本部という)
買収した飲食グループ(親会社)の若い社員
・・というか、若造がやってきて、

こんなことも出来ないのか?

と年上のチェーン店の社員に
言い寄る光景を目撃するようになりました。

親会社の社員は、
情熱的な経営者に似たのか、
とにかく勢いがありました。


・・そして、
買収から半年か1年位過ぎたあるとき、
出入り業者を集めた会合に
参加することになりました。

親会社では、こんな事やってるんだ。
・・と、イベントのDVDを見ました。

(おぼろげな記憶によると)
少し大きなホールの会場に、
グループ会社の社員が集まっています。

情熱的な社長の話に始まり、
イベントとして、グループ内の店舗で、
一定の成果を挙げた人による
プレゼン大会が始まりました。

演壇でプレゼンをしながら叫び、
会場でプレゼンを聞きながら感動し、

・・涙を流す様子が映っていました。


後で知ったのは、
似たような例として、
マクドナルドのハンバーガー作り
コンテスト等があることです。

確か、ロンドンオリンピックの時に、
日本代表として、女子高生のアルバイトが
派遣されたことでも話題となりました。

そういった欧米的な、
モチベーションコントロールの仕組みを
真似たものと感じましたが、

それ以上に私は、
どこか宗教的な怖さを感じました。


さて前置きが長くなりましたが、
本日ご紹介するのは、松永茂久さん著の

「感動の条件 ~あなたの一生を1時間で変える本~」

です。

「感動の条件」というタイトルと、
”この本に感動しました。”という齋藤一人さんの
帯のコメントを読んで購入した次第です。

”感動”に関する、
ビジネスや学問的な内容の本と思ったら全く違っていて、
地方の大変繁盛している飲食店の話でした。


本書では、私が記事の冒頭に書いたような、
居酒屋甲子園」という業界の一大イベントの
話が紹介されていました。

コンテストで優勝するのは、
素晴らしい売り上げを誇る、
よく言えばモチベーションの高い、
社員とアルバイトさんなのですが、

私が紹介した某飲食店グループのような
妙なハイテンションを思い出しました。

・・・
しかし本書にて松永茂久さんが述べているのは、

 どういった仕事の仕方、
 どういった生き方をすれば、
 人間は幸せに成れるのだろう。

そんな純粋な話でした。そして、

 誰かのため。For You

というものの考え方が大切ということです。


自分のためよりも、誰かのために。
そのように考えたほうが、
仕事も勉強も、スポーツも・・・
何事にも頑張れます。

著者の経営する飲食店でも、
社員と一緒に誰のために仕事をするのか?
(飲食店なので、まずはお客さんということですが)

を常に考えることで、
次々と良好なサービスを産む循環を作っています。

お客様の多くは、良いサービス、感動のサービスを
口コミで聞いてやってくるといいます。

人様のために心をこめてサービスした結果、
多くのお客様がやってくる様子は、

「感動の条件」というよりも、
ビジネスの教科書にしたい本と思いました。


(本書の中心的な話では無いのですが、)
本書の後半に、一週間に一度行うアルバイトも含めた
全体ミーティングの様子が紹介されています。

男女に分かれ、自分が考える「モテ男」、「モテ女」を
紹介し合うというもので、

ミーティングの後はスタッフの目の色が変わると言います。

私もあるセミナーで、「モテ男」、「モテ女」をディスカッション
することを行ったことがありますが、
確かに普段得られない、感情高ぶる物を感じます。

年齢にかかわらず、
男女の刺激となるのは、
異性からモテたい。と思う気持ちです。

気になる人の一人もいれば、
その後に感じる、やる気はハンパじゃないでしょう。

ミーティングは著者のオリジナルでは無いと思いますが、
そういった意味では、上手いこと取り入れて経営している人だな。

と感じます。


本書を読んで、私がもっとも関心したのは、
著者の小学校の頃の将来の夢が、

 たこ焼き屋さんになること。

という事でした。

たこ焼き屋さんの夢を追い、
九州から単身上京し、
そして、おたふくソースの社長、
(当時の東京支長)の佐々木氏に出逢う
いきさつが紹介されています。

このような夢の叶え方もあるのだ、
と勉強させられました。

著者の松永さんは私よりもだいぶ若いのですが、
思うところ、感じるところが多々ある、
今日の一冊です。

これから飲食業などのビジネスを始める。
という方には、大いにお勧めしたいと思います。




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