坂本光司著「強く生きたいと願う君へ」を読み仕事への取り組みを変えて行かねば、と感じました。

お正月休みに実家でテレビを見ていたら、

もの凄く頭が良かったり、
もの凄く才能がある子供を紹介する番組に当たりました。

脳科学者の茂木健一郎さんが解説をしていたのですが、

 全ての子供は”根拠のない自信”をもっていて、
 ”根拠のない自信”によって子供は自らの能力を伸ばす。

 立てないんじゃないかとか、
 歩けないんじゃないか。

 ・・そんなことを考え自信を失う子供はいない。

 子供は、彼らが持つ”根拠のない自信”によって、
 どんなに転んでも立ち上がり、
 そして、いつしか歩けるようになる。

そんな主旨の解説をしていました。

そんな子供たちも、
失敗を積み重ね大人になるに至り、
どんどん”根拠のない自信”を失っていきます。

すると成長も鈍化してきます。

逆説的に言えば、
大人になっても”根拠のない自信”を持てる人は、
ある種の才能を持った人です。

自信を持っている人は、
どこか一本スジが通っていて、

失敗にくじけず、
悪口にも耐える、
そんな、強い心を持っています。

・・と、
そんな風に、私の目には見てるのです。

うらやましいです。

・・という訳で本日は、坂本光司さん著

「強く生きたいと願う君へ」

をご紹介します。


著者の坂本光司さんは、
ベストセラー「日本が一番大切にしたい会社」を

を書かれた方です。

私が本書を購入したのは、
会社の話と云うよりも本書のタイトルである、

「強く生きたい」

に引かれました。

しかし本書を読むと、
内容はやはり著者の専門とする
中小企業の話題が多かったように感じます。

著者は研究のために、
これまで6600社の中小企業を訪れたと云います。

その中で出会った素晴らしい経営者や
素晴らしい会社組織に触れながら、

前半では人間として大切にすべき考え方や能力。
後半では、強く生きるために必要なこと。

を展開しています。

やはり印象深いのは、著者の専門の企業研究で
例えば、

 いつの頃からか、会社に一歩足を踏み入れた
 瞬間に、その会社がどんな会社かわかるように
 なりました。<p133>

といったフレーズです。

社員が協力しながら仕事をしている会社は
独特の空気が流れており、経営者は柔和な
顔つきをしているそうです。

そして、会社経営にとって一番大切なのは、
社員であり下請けの取引先です。

彼らを幸せにすることが出来ずして、
お客様に良い製品やサービスを
提供することは出来ない。

そう云い切ります。

長引く不況ですので、価格交渉の圧力や、
職場に増える派遣社員への心ない言葉など、
(ボーナスのない派遣社員の前で
ボーナス時期に浮かれた話をする正社員)

こう会社に価値はないと言い切ります。

私も似たような光景を目にすることは
多々ありますが、本当に同感です。

こういった本を読むと、
MBA式というか、お金や効率ばかりを求める
経営はどこか間違っているように感じます。

家族のように社員を大事にする経営
というのが、真の日本式経営ではないかと
思いました。

本書を読むにつれ、
著者の言葉には、どこか達観した感があり、
どうすればこのような境地に至ることができるのか、

私もかくありたい。
そんな事を感じながら読み進めました。

後半の、「強く生きるためには」では、

 涙の数だけ、人は強くなれる。

 「痛み」を知りなさい。
 それが、君に力を与えてくれる。

の言葉が心に残ります。

こんな月並みな言葉が心を打つのは、
前後に紹介される企業の経営者の話がある
からだと思います。

誤診のため娘が不治の病と成り、
看病のため会社を辞めて介護製品の会社を
設立した「キシ・エンジニアリング」

扱い勝手の悪い工場の機械のために、
足に大けがを負った社員を想い、
安全とは云えとても高価な機械を
導入した「伊那工業」

そんな事例が紹介されるからと思います。


最後にもうひとつ、有名な話をご紹介して、
本日の書評を閉じたいと思います。

障害者を採用しつつ、
ナンバーワン企業としての経営を続けている
日本理化学工業の山川社長が、
最初に彼らを採用したとき、
彼らが何故、
真剣に働いているのか分かりませんでした。

そんなとき、
ある僧侶に教えてもらった言葉です。

 人間の幸せは、ものやお金ではありません。
 人間の究極の幸せは次の四つです。

 人に愛されること。
 人に褒められること。
 人の役に立つこと。
 そして、人から必要とされること。

 愛されること以外の三つの幸せは、
 働くことによって得られます。

 障害を持つ人が働こうとするのは、
 本当の幸せの証なのです。

 <本書p103〜104より引用>

本書を読むと私まで感化され、
達観の領域に一歩近づいたような気になりました。

明日からの仕事に生かして行きたいと感じました。



 
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