ジョン グレイ著 秋元 康訳「ジョン・グレイ博士のこの人と結婚するために」を読みました。

秋元康さんと言えば、
押しも押されぬAKB48の、
総合プロデューサーとして有名です。

AKBは対象年齢も違うので、
正直、私にはよく分からないのですが、

その昔、
秋元康さんが企画や構成を担当したテレビ番組、
夕焼けニャンニャンの「おニャン子クラブ」や、
オールナイトフジの「オールナイターズ」は、
年代的に超ビンゴで、よく見ていました。
(ですから、AKBで騒いでいる人達の気持ちは
わかる気がします。)

どちらも20年以上前のことですが、
私はこの頃から秋元康さんに注目し、
凄い人だと羨望をしています。

そんな秋元康さんですが、
高校生時代にラジオに投稿したことで認められ、
放送作家としてのキャリアをスタートします。

サラリーマンをせずに、
腕一本で大金持ちになったストーリーも、
当時の私は憧れました。
その頃は企業家とか知りませんでしたし・・。

その後、秋元康さんは、
名曲美空ひばりさんの「川の流れのように」や
稲垣潤一さんの「クリスマスキャロルの頃には
などの名曲を生み、作詞家としても有名となりました。

ちなみに奥様は元おにゃんこクラブの、
高井麻巳子(現姓秋元)さんですが、
個人的におにゃんこクラブのメンバーの中で、
もっとも好きな方でしたので、
秋元康さんは、憎き敵(笑)としても、
私の心に刻まれました。

もっとも、当時は、
秋本さんぐらいになれば相当モテるでしょうし、
すぐに離婚するに違いない。!
などと勝手な事を思っていました。
(勝手な事を書きまして、本当にすいません。)


・・という訳で本日は、ジョン グレイさん著 秋元 康さん訳

「ジョン・グレイ博士のこの人と結婚するために」
 恋の始まりからプロポーズまで相手の気持ちを離さない愛のルール

をご紹介します。

著者であるジョン・グレイ博士は心理学者で、
ビジネス系のメルマガで紹介されて知りました。

とはいえ著作の多くは恋愛関連で、
何を読もうか考えた末、秋元康さん訳ということで、
本書を選びました。
(決して私に結婚したい人がいるからではありません。
残念なことですが・・)

あんなにお忙しい秋本さんが手間暇かかる翻訳を
自ら行っているとは、にわかに信じられませんが、

本書の出版にあたる2006年の秋本さんの活動をみると、
めぼしい物がありません。

AKB48は2005年スタートなので、
今よりも、仕事が暇だったのかも知れません。
↑これも勝手な想像です。すいません。(汗)


本題に戻ると、

「この人と結婚するために」

という結婚に至る過程がテーマの本です。

主な内容は、
出会いから結婚に至るまで、
5つの大きなステップがあり、
各ステップでの男女の心理の違いや、
恋愛として間違えやすいポイントなどを
解説しています。

第一印象は、付き合っている男女が、
結婚を意識したときに読む本かと思ったのですが、

そこは心理学者の書く本であり、
しかも洋書ということで、

手頃な(国産の)恋愛本とは次元の違う、
内容の濃さ、文字の多さがあります。


どちらかといえば、
女性向けの内容が多いように思われますが、
男女両方の視点で解説やアドバイスがあります。

また、読み方によっては、職場で仕事の頼む際の、
異性とコミュニケーションをする際の注意点が
書かれたビジネス書のような面も感じました。

「心理学者の書いた本」とあえて書くのは
そうゆう意味なのですが、
ビジネス的観点からも興味深く読ませて頂きました。


私が印象に残ったのは、例えば、

 男は(女性から)何かを頼まれたときに輝き、
 女は(男性の)支援を得られたときに輝く。

といった内容です。


仕事の褒美は仕事などと言いますが、

つまり男は、
期待され、何か(仕事など)を頼まれることに
喜びを感じる訳で、それが好きな女性から
頼まれる事であればなおさら。
という訳です。

一方女性は、
自ら自立して仕事が出来るようになることよりも、
自分がやりたいことに対して、
(好きな男性の)支援を得られることが、
喜びというから、まったく不思議です。

つまり、こうゆうことでしょうか。
(↓私の勝手な文章です。)

 女性は、男性に指輪をねだるときが最大に輝き、
 男性は、女性に指輪をねだられるときが最大に輝く。

なお指輪の文字は、バックでも、旅行でも・・同じです。

世の中良く出来ています。(笑)


この違いを仕事に照らし合わせてみると、
男と女では、相当違った仕事の指示や評価を与えなければ
ならないことになります。

男性には、責任ある○×を一人でやってみろ。
女性には、応援するから○×をやってみない。

同じ仕事(○×)でも男女で使い分けないと
いけないわけで、
こんなことは世の中的に常識かも知れませんが、
私は普段意識しておらず、
管理職としてイマイチだったと気付きました。


肝心の恋愛のネタで興味深かったのは、
たとえば、

・男は追う物で、女性が男を追って、
 上手く行くケースは少ない。

・男は中々マメに電話しない理由。
 ・・とか大した物はない。

・女性には、○×さんは良いとストレートに褒め、
 男性には、今日は楽しかったなど間接的に褒める。

・自分の苦手な事をやってみると、
 人間力とともに出会いが広がる。

・・・などです。

結婚に至る5ステップを簡単に紹介すると、

1,パートナー候補に、ひかれ合う
2.この人でよいのか、心が揺れる
3.相手をひとりに決める
4,親密な関係になる
5.プロポーズと婚約

です。

この各ステップを確実に進むことが大切で、
時にゆっくり時間をかけることが大事と言います。

つまり、1の次が4だったりする恋愛では、
結婚に至らないというのが本書の主旨です。

会社の先輩で(恋愛結婚にもかかわらず)、
デート3回目で婚約した人がいるのですが、
そういった人は、例外中の例外なのです。

先輩は大変仕事が出来る人なので、
私もあやかりたいと思っていたのですが、
本書的には、結婚出来ないパターンに陥る
確率が高そうです。


本書は単行本ですが、
恋愛にもビジネスにも役立つような
大変充実した内容と思います。

そして更に良いのが、最後の秋元康さんの

「いつか、君は絶対すてきな人にめぐり会える」

という訳者後書きです。

ニューヨークに行った際に、
原書が、どこの本屋さんでも山積みされていたことに
気付いた話しから始まるのですが、

私は、こんなところから、
ビジネスチャンスを見つけるのか。
別の意味で感心しました。

後書きにして、
様々な内容が書かれるのですが、
私が最も心に残ったのは、

 奥さん(高井麻衣子さん)よりも長生きする。

という話しです。

かつては、
大切な人の死に目に遭うのは悲しいので、
自分が一番最初に死のと思っていたそうなのですが、

父の死に際し残った者の悲しみを知り、

以来、
奥さんに悲しい思いをさせないため、
奥さんよりも長生きしようと思った。

といった事が書かれています。

冒頭、奥さんとは直ぐに別れるのではないか。
と失礼な事を書かせて頂きましたが、

この後書きを読み、
改めて秋元康さんのすばらしさを知りました。

私も奥さんよりも先に死にたい派だったのですが、
これを機に考えを改めることにしました。

そして、なぜかこの部分が本書で一番心に残りました。(汗)

ここまで長々と書きましたが、
確かに良書と思った今日の一冊です。
最後のところだけでも読んで頂ければと思います。



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