アンディ・アンドルーズ著「希望をはこぶ人」を読みました。人生は危機の連続であるとは達観です。

本の感想を書くのも久しぶりですが、
ボチボチ書いていきたいと思います。

本日はアンディ・アンドルーズ著、馬場隆訳

「希望をはこぶ人」

をご紹介します。

本書は2011年4月15日に発売され、
私が購入したのが2011年8月21日です。
ネットで評判が良かったので即購入しました。

※今日ブログを書く際に、
 アマゾンで評価を確認したのですが、
 四つ星、五つ星しかありません。

しかし、あろうことか、
3年間も積ん読本となっておりまして、
ようやく昨日読み終えました。(汗)

最初に結論を言えば、良書です!

こんな素晴らしい本を3年も机の上に
積みっぱなしだったとは、
なんてアホなんだろうか。俺。

・・と思いつつも、
今、この本を読んだ事に、
本との出会いに、幸運を感じます。

即ち、今の私には、
それぐらい心に響いた本なのです。


本書は、ジョーンズと名乗る老人が登場し、
師匠というか、メンターというか、
(本の設定では”親友”となっている。)
悩める若者・大人達にアドバイスをするという、
自己啓発本としては、良くある設定の物語です。

著者の略歴を読むと、
最初のストーリーが著者の実話を参考にした物語で、
その他は、フィクションではないかと推測します。

しかし、先にも書きましたが、
これは自己啓発本として定番な設定ですので、
作り話だからダメなどとは一切感じません。


それでは本書の内容を簡単に紹介します。

本書で繰り返し述べられるのは、

「物の見方」

という言葉(センテンス)です。
例えば、ある人が絶望の淵にいるとき、
その人には自分の置かれている状況が、
お先真っ暗な絶望に見えます。

しかし、その絶望的な状況がきっかけで、
後に成功したとすれば、
絶望だった最悪の状況は、
実はチャンスだったということになります。

人生は常に危機の連続であり、
つまり人生とは、

 危機に向かう途中
 危機の最中
 危機から脱出の途中

この3つしかない。
その後に加えられるのですが、
人生の達観を感じるとともに、

「物の見方」

という言葉は、
本書で最も大切なキーワードです。


ほかにも、

・若者に向けて、
 チャンスや成功は他人からもたらされる。
 だから常に他人に好かれるようにしなさい。

 そのためには、
 友人が自分をみたとき、
 直したい、改善したい。と思うところを想像し、
 自ら改善したほうが良い。

・歳を取った女性にむけて
 幾ら歳を取っても、例えば子供に教育をしたり、
 困った人を助けたり、
 人間は死ぬまで、沢山のできること、
 つまり使命がある。
 人生には最後まで価値があるのだ。

・若い男女にむけて、
 結婚に失敗しないためには、
 お互い性的魅力が無くなったとき、
 共通の何かが残っていると、
 末永く夫婦円満にすごせる。

・別れ話をしているカップルに対し
 愛情表現は4種類有る。
 一つ目は、「承認の言葉」 愛してる!など
 二つ目は、「親切な行為」
 三つ目は、「肉体的接触
 四つ目は、「質の高い時間の共有」会話など
 相手の求める愛情表現をすれば、
 上手く行くのではないかな。

などです。

個人的に心に残ったのは、
表紙のカバーの裏にある次の文章です。

==
 5羽のカモメが防波堤に止まっている。
 そのうち1羽が飛び立つことを決意した。
 残っているのは何羽だい?

 --4羽です。

 そうじゃない。5羽だよ。

 いいかい?誤解されがちなんだが、
 決意そのものにはなんの力もないんだ。
 そのカモメは飛び立つことを決意したが、
 翼を広げて空を舞うまでは防波堤にとまったまま。
 残りのカモメと同じだよ。
 人間だって同じだよ。
 <略>
==

行動がなにより大事と言うことですが、
直接的な言葉よりも、
こうした文章は説得力が増します。

更に、他人を評価するときは、
(相手の気持ちが分からないので)
行動で評価するのですが、

自分を評価するときは、考えだけで評価する。
カモメの例を出すまでもなく、
それではダメなのです。


主人公のジョーンズは、
常にトランクケースをもった謎の老人です。

困っている人のもとに突然現れては、
「君の親友だよ」とすぐに打ち解け、
そのあと仲良く何時間も会話をし、
困っている人が気持ちを取り直したら、
いつの間にか消えている。

類似本と違うのは、このように、
主人公が霊的な雰囲気を漂わせている点です。

それ以外は割と非凡なストーリであるとも
感じられるのですが、

(私のように、)
困った状況の中に居たり、
心が痛んでいる人が読むと、
たいそう、心に染みる物語と感じました。

人生は常に危機の連続ということですので、
沢山の人は悩みが尽きず、
心を痛めながら人生を送っているわけです。

本書が多くの人の感動を呼ぶのは、
人生は危機の連続だからではないか?
と感じた今日の一冊です。



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