柳川範之著「東大教授が教える独学勉強法」は独学で道を切り開いた著者の、勉強の考え方がわかる本です。

私にとって勉強法は、
常に興味をそそるテーマの一つです。

いかに効率よく勉強し知識を得るか。
サラリーマンとして、
仕事の生産性向上のために重要です。

一方、勉強が必要なのはビジネスだけに限りません。
社会人として、幅広い教養を身に付けるためだったり、
資格取得や、新しい道を切り開くためだったり、
勉強の場は限りないのです。


・・という訳で本日は、柳川範之さん著

 「東大教授が教える独学勉強法」

をご紹介します。


著者の柳川範之さんは、1963年生まれで、
中学卒業後、お父様の転勤に伴い、
ブラジルへ引っ越します。
ブラジルでは高校に通わず、
日本で大検をうけ、
慶応大学の通信課程から、
東大の大学院へ進みました。

慶応大学にしても東大にしても、
受験の超超難関大学です。

どうやって入ったのだろう?
という成り行きに関しては、
本書にも述べられていますが、
超天才とか、受験勉強の神様。
・・といった印象は受けません。

いろんな人生があるんだなぁ〜。
という感じです。


もちろん極めて頭脳明晰であることには
間違いないでしょうが、
受験偏差値いくら。
で語るタイプの天才では無い印象です。

といいつつも、
実は今回本書を購入したのは、
何年ぶりに資格試験にチャレンジ
しようと思いまして、
長いこと受験勉強的な物から遠ざかっており、
勉強の独学のテクニックが得られるのでは、
ないかと期待して、本書を購入しました。

しかし本書は、
受験勉強法、資格勉強法という観点の本ではなく、
あくまで、自分の道を切り開くための
勉強法を語っている本です。

繰り返しになりますが、
著者の柳川範之さんは、
受験オタク的な方ではなさそうなので、
そうした内容を期待するほうが間違っていると
思います。

ですので、これから購入されるかたは、
ちょっと注意が必要かも知れません。


さて、
本書は著者が歩んできたように
独学で我が道を開くための勉強法の本です。

勉強には、

1.受験や資格取得などの、明確なゴールのある勉強
2.趣味や教養を身につけるための勉強
3.答えのない問いに、自分なりの答えを見つける勉強

の3種類があるといい、
本書は特に3番目の勉強法について語っています。

そういった前提を頭に入れながら、
本書に示される勉強法をいくつか挙げてみます。

・短めのスケジュールを立てる。
・目標は3割達成でよしとする。
・入門書は3冊買う。
 ※本の購入は難しく、3割ぐらいアタリが
  あったら良いそうです。
・本は2回繰り返して読む。
・ノートを作らない。
 (マーキングもしないそうで、そういった事をする
 よりも、本を読み返したほうが良いという意見です。)
・誰にでも分かり易いアウトプットを作る。

・・等々です。


私が大いに同感するのは、
本を2回読むという話しです。
一度目で頭に入らないことが、二度目だと自然に
頭に入ることが多々あるように思います。
また、復習という意味で知識の定着もあり、
効果は高いと思います。


先日、外山滋比古さんの「考えるとはどうゆうことか」
をご紹介したときも書かれていたのですが、
本書でも、インターネットの時代は、知識を覚える事よりも
考える事が大切であると述べられています。

特に著者は情報が少ない海外に住んでいたことで、
自分で考える力が身についたのではないかと言います。
小学生の頃住んでいたシンガポールでは、
当時は塾もなく、勉強法をある程度自分出考えなくて
はならなかったそうです。

また勉強法だけではなく、病気を治すにしても、
現地では漢方医と西洋医のどちらにかかるかを
自分で考えなくてはいけませんでした。

海外暮らしでは、多かれ少なかれ
似たような事はあるのではないかと想像しますが、
そういった経験が自ら考える人材に育てたのでは
ないかと思います。

著者は入門本を読むときでさえ、疑って読み、
専門書を読むときは、格闘するつもりで読むそうです。
そうした批判的な思考を重ねることによって、
自分で考える能力が付いていくのだと感じます。

子供が、何故、何故いいながら物事を覚えていくのと
似たような事なのかも知れません。

という訳で、個人的に期待した資格取得法の
テクニックを知ることは出来ませんでしたが、
独学で専門家になるという、道筋のヒントを
知ることが出来た本日の一冊です。



今日のアクセス:305161(2015/2/8)