本田健著「人生の目的」を読みました。当然ですが、この本に答えが書かれているわけではありません。

40代になるとうつ病の人が増える。
という話しを聞いたことがあります。

私もそろそろ40代後半ですが、
毎日漠然とした不安の中で過ごしており、
病気になってしまう人の気持ちも理解できます。

何故そんなにも不安な気持ちになるのか?
最近その原因が少しわかりました。

将来に対して希望が描けないことに加え、
この先、様々なものを失って行く
不安が増えることに気付いたのです。

それは、
若さや体力といった健康的なものであったり、
社会的な地位や給料であったり、
年老いていく両親であったりします。

つまり、これまでの人生は
得られることよりも失うことのほうが多い、
まさに下りの人生を歩み始めるのです。

昨日ご紹介した「恐れない技術」には、
”失う事を恐れない”と有りました。
生まれたときは何も持っていないと考えれば、
生きているだけで得という考え方です。

確かに私も体一つで上京し今に至るわけで、
全て無くなっても、損ではないのです。

・・とは言ってみるものの、
40代も半ばにあって、
人生の使命も目的もわからず、悶々と暮らすのは辛く、
人生を生きる、何か目的のようなものが欲しい。
そんなことを願う今日この頃です。


・・という訳で、本日は本田健さん著

 「人生の目的」

をご紹介します。

本田健さんの本は、何冊も読んでいまして、
ここでも度々ご紹介しています。

少し前は、お金関連の書籍が多い。
というイメージでしたが、
最近は、幸せな人生を送るためには。
といったテーマの本も多いように感じます。

本書は「人生の目的」に関して、
本田健さんの考えをまとめたものです。

特に自己啓発本を沢山読んでいる方や、
本田健さんの本を沢山読まれている方にとっては、
何か特別な事が書かれてあるかと期待すると
少しがっかりするかもしれません。

本書には、たとえば、

・人は周りの影響を受けて育ち、
 特に親とよく似た人生や、正反対の人生を
 歩くことが多い。

・毎日を楽しく生きるためには、
 沢山のお金や凄い才能・学歴は不要。
 楽しもうと思ったとたん楽しめるのが人生。

・人は自分の考えたとおりの人生を生きている。
 お金が欲しい人はお金を得て、
 パートナーが欲しい人はパートナーを得る。
 (お金やパートナーが欲しいと言いつつ
 苦労している人は、お金やパートナーが
 無くても頑張る自分に価値を感じている。)

・幸せを感じる事、ワクワクすること、
 子供の頃に好きだっことなどが、
 人生の目的のヒントになる。


など、
様々な自己啓発本にも書かれている内容が記されています。

しかも本書は全体的にあっさりとした文体なので、
どこが重要か一回読んだだけではわかりにくい
かもしれません。

実は私は本書を二回読みました。
ですので、今回は、二回読んで大切と感じた部分を
以下に抜き出してみます。

・ストレスが無いときは一生やってこない
 冒頭、40代からは不安が募る。という話しを書きました。
 しかし、本書によればどんな年代にもそれなりのストレス、
 つまり不安の種があると言います。

 80代の人が懐かしく思うのは、
 自分が若い頃(といっても50代)の頃の失敗談・苦労話
 なのだそうです。
 この先、50代になり、更に大失敗や苦労するのかと思うと、
 やや気分が暗くなりますが、
 一方で、このような知識をもつことが、
 生きる上での灯火となる筈です。

・人生の目的の見つけ方
 本書でもっとも大切な「人生の目的」の見つけ方について、
 トラウマになったこと、一番苦しかった体験に、
 人生の目的のヒントがあると言います。

 そんな「人生の目的」に気付くのは、
 15歳の人も居れば60歳の人もいて、バラバラなのだとか。

 ある日、誰かに感謝されたとき、
 これが人生の目的かもしれない。
 ふと気付くのだそうです。

・「人生の目的」とは
 「人生の目的」は、誰かに何かをしてあげることです。
 愛の表現と言っても良いでしょう。
 政治・宗教・ボランティア活動・家事・芸術・・・
 心から楽しいと感じられる何かがあるはずです。
 それらは、自分が好きな、つまり愛することを
 表現する活動なのです。
 
・歯車のような人生は不幸なのか?
 良く社会の歯車だから人生がつまらない。意味がない。
 ・・という言い方がありますが、
 冷静に考えればどんな人も歯車です。
 しかし歯車であることは不幸なのでしょうか?
 どんな歯車も、社会に貢献するという観点では重要で、
 価値がある生き方ではないでしょうか。

・人生の意味は無い
 本書で書かれる最も重要なセンテンスは、
 「人生に意味など無いんだ」ということです。

 人生の目的は、あくまで後付けです。
 生まれて・成人して・死んで行く。

 それが生物として人間に与えられた人生の本質なのです。
 そのように考えると人生に意味など有りません。


本書を読むにあたり、
本田健さんが書いた「人生の目的」という本だから、
きっと何か答えが書いてあるに違いない。
と期待して読みました。

しかし紹介したように、
わりとあっさりと、人生の目的について語り、
「人生に意味は無い」と締めくくります。
そして「人生の目的」は後から気付くもの。
とまとめています。

思うに、人生にとって大切なのは、
そんな意味の無い人生に、
なにか一つ意味を加えるために努力することです。

それこそが、命を繋ぐだけの動物と人間の違いであり、
「人生の目的」ではないかと感じました。

そして、「人生の目的を見つける」一つの指針は、
何も無い人生に、自分なりの幸せをどのように
見つけていくのかということです。

昨日も「幸せは加えていくもの」
という話しを紹介させて頂きました。

全く別のテーマなのに、
似たような内容が書いてある偶然に
面白さを感じたのですが、

 明日は人生にどんな幸せを重ねていこうか?


と日々考える事が一番大切ではないかと感じた、
今日の一冊です。



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