ロバート・ハリス著「人生の100のリスト」を読み、考えるより遙かに人生は自由であることに気付きました。

今日はロバート・ハリスさん著

 「人生の100のリスト」

をご紹介します。

著者のロバート・ハリスさんは、J-WAVEの有名DJですが、
「100万人の英語」の講師として有名なJ・B・ハリス氏の
息子でもあります。

1948年生まれということですから今年68歳です。

本書は今から12年前の2004年に出版された、
「人生の100のリスト」を文庫化したということですから、
50代中頃に書かれたものです。

父親が著名人ということもあり、裕福ではあるものの、
複雑な想いを持ちながら育ったそうです。
有名な父に反抗心を感じる事も多く、
最後まで「父と和解する」ことが達成出来なかったことを
残念に思っています。

学生時代は横浜の自宅から都心にあるアメリカンスクールに通い、
大学は上智大学です。

高校を卒業後、ソビエト・ヨーロッパ・中東と
半年間の放浪の旅に出ました。
沢山の刺激を受け、最後にたどり着いた、
カルカッタ(インド)で完成したのが「人生の100のリスト」です。

1967年(昭和42年)の出来事ですが、
少し調べてみると、
前年の昭和41年に海外旅行の旅行回数や金額制限が撤廃され、
日本でようやく海外旅行が普及し出した頃のようです。

一方国内情勢としては、
有名な学生運動の盛んな時期でもあり、
ロバート・ハリスさんが一般的な日本の家庭に
育っていたら、海外よりも学生運動
身を投じていたのではないかと想像します。

ちょうどその頃生まれた私の感覚でも、
高校卒業後、海外で半年間放浪するなど、
想像も付きません。
若い頃から普通とは違う、
飛び抜けた感覚・個性と行動力を持っていたのです。

本書では昔の写真も紹介されるのですが、
私のような一般感覚でロバート・ハリスさんを
理解できるのは、若い頃の写真です。

本書の帯の写真では、
短髪に丸いサングラスと、これだけ観ても、
独自の強いオーラが漂っている印象をうけます。
メディア業界の人というより、
ちょっと危ないヤクザ的な雰囲気です。

しかし若い頃の写真をみると、
私が知る、当時の若者と同じような、
長髪の一見軟弱な雰囲気なのです。

この一見普通にも見える青年が、
この強烈なオーラを醸し出すようになるには、
本書に書かれるような、並々ならぬ
経験を数多くしたからに違い有りません。
まさに顔つきが変わる。というのはこのような事です。
そして今のほうが断然カッコ良い。

さて、
100個のリストの中には、
「結婚する」とか「自分の家を持つ」
など一見普通のものもありますが、

「映画を製作する」、「画廊を経営する」とか、
「ヒッピーになる」、「阿片窟で一夜を過ごす」、
「男と恋をする」・・・など、、

など、

これって小説ですか?

・・と思うような経験談が、
読み手を引き込む文体で記されています。

例えば「ヌードモデルになる」では、

オーストラリアで本屋を経営していたとき、
近所の美術大学の講師からヌードモデルを頼まれ、
知り合いのお客さん(美大生など)の見守る中、
ヌードモデルをした思い出が書かれているのですが、

私がここでは書くのも恥ずかしい顛末が記されています。

よくまぁこんなこと書けるなぁ〜。と思うのですが、
自分の恥ずかしい部分を活字にして生きていくのが、
プロの作家ということなのだと思います。


最後の章に書かれるのは「100のリストの本を書く」です。
その中で「100のリスト」と著者の関係性が書かれています。

19歳で100のリストを書いた後、
何年かは時折ノートを眺め、
完成したリストに印をつけていたそうですが、
子供が生まれドタバタした生活を過ごし、
いつの間にかリストを観なくなり、
そしてリストの書かれたノートも無くなってしまったそうです。

その後DJとして成功し本を出版することになり、
本の中に「100のリスト」の話しを書いたところ、
改めて本にしたら面白そうだ。
ということで、

再び記憶の彼方から「100のリスト」を思い出し、
執筆に至ったとのこと。

 「この本を書きながら、リストが僕の人生に一体
 どんな影響を及ぼしたのか改めて考えてみたのだが、
 いまだに総括的な答えは出ていない。
 リストを作ったおかげで人生が大幅に変わった
 ような気がするし、それほど変わっていないような気もする。」

とリストとの距離感を示しながらも、

 「リストの一番の成果は何と言っても、
 やりたいことを思いつくまま書くという行為を通して、
 僕が生まれて初めて自分と向き合い、
 将来について思いを巡らせたことだ。」

とその効果を記しています。
そして私が本書において最も重要と感じた部分は、

 「何かを夢見、それを空想したり人に言うだけでなく、
 紙に書き記すという行為はやはり、その実現に至るプロセスに、
 何らかの影響を与えるのではないか、ということである。
 <略>
 この本の中でも何度となく言ってきたが、
 一度強く願ったものは往々にして叶ってしまうものである。」

というところです。

自分の叶えたい夢のリストの作成をすることで、

真剣に自分の未来と向き合い、
そして、強く念じることで、夢が叶うのです。


著者が本書で伝えたいことは、
特異な人生経験の数々ではなく、

夢を叶え、充実した人生を送るには、
やりたいことのリストを作るのが一番。
という事ではないかと感じました。

それを、様々な経験談を通して、
読者に語りかけるのが本書の本質ではないかと・・。


本書の最後には、
著者の「これからの人生の100のリスト」
が記されています。

ロバート・ハリスさん自信も、
本書の執筆を通じて改めて、
「人生の100のリスト」の効果を実感したのだと思いました。


私が本書を読んで感じるのは、
人生は私たちが考えるより、もっともっと自由で、
無限の夢の形が存在するということです。

その夢を一つでも多く叶えるために、
発想の限界を超え、
一つでも多くの事にチャレンジしなければならないのです。


人生を変える大きな引き金と成る一冊と感じます。

自らの自宅と会社の往復の毎日を送る、
私は大いに考えさせられました。

私も貴方も、
人生を変えななければいけないのです。




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